前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなったものの、仲値公示以降は上昇していた日経平均株価が下落に転じたことや、米長期金利が低下したことから軟調な動きとなる場面もあった。しかし、終盤に日経平均株価が持ち直したことや、米長期金利が上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなり、ドル/円は序盤に150.99まで上昇したものの、151円台の大台を前に上値の重い動きとなった。その後、米長期金利が低下したことを受けて、ドル/円は一時150.73まで下落した。ただ、下げ一服後は再びドル/円は堅調な動きとなり、終盤には151.06まで上昇して11/1以来の151円台乗せとなった。
米株式市場では、主要株価指数が上昇して始まったものの、その後は前日まで上昇が続いたことで利益確定売りが優勢となり、下落に転じてマイナス圏まで落ち込んだ。しかし、米長期金利の低下が続いたことから、終盤にかけて持ち直し、特に金利動向に敏感なナスダックはプラス圏を回復して終了した。ダウ平均株価は、序盤に前日比100ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時156ドル安まで下落した。終盤にかけて下げ幅を縮小し、40.33ドル安(-0.12%)で終了。一方、ナスダックは10.55ポイント高(+0.08%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から上昇したこと受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、仲値公示にかけてドル買いが観測されたことも影響し、ドル/円は序盤の150.31から150.61まで上昇した。
(2)しかし、上昇一服後は時間外取引で米長期金利が低下したことや、午後に入り一時前日比240円高まで上昇していた日経平均株価が222円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、米長期金利や日経平均株価が持ち直したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、欧州時間の流れを引き継ぎドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤に150.99まで上昇したものの、151円台の大台を前に上値の重い動きとなり、その後は米長期金利の低下もあり一時150.73まで下落した。
(4)ユーロ/円などクロス円が堅調な動きとなったことが影響し、ドル/円は再び堅調な動きとなり、終盤には151.06まで上昇して11/1以来の151円台乗せとなった。しかし、日本当局の介入警戒も根強く、その後は上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、ドルは終盤に一時151円台乗せとなり、11/1以来の高値を更新した。しかし、政府・日銀の介入警戒感も根強く、上値の重い動きとなった。前回の151円台乗せの場面(148.80台から151.70台まで急上昇)でも政府・日銀の為替介入がなかったが、今回は緩やかな上昇であったものの、150円台では介入への警戒感が意識されていたものの、為替介入はなかった。このことから、150円台での為替介入は無いのではないかとの見方も出ており、150円台では底固い動きが予想される。
今後は、151円台で足場を固め、前回の高値151.71に向けて上昇する可能性も考えられる。ただ、米長期金利の指標となる米10年債利回りは、前回151.71までの上昇した後は低下に転じていることから(4.932% ⇒ 4.486%)、ドル/円の一段の押し上げには米金利上昇も必要と考えられる。そのため、米金利が上昇に転じるのか見極めたい。
一方、ユーロはECB高官のタカ派発言を受けてユーロ買いが優勢となり、対円では昨晩161.73まで上昇して2008年8月以来の高水準となった。日欧の金融政策の違いも意識されており、昨日は米長期金利の低下の中でユーロの上昇がドル/円の押し上げ要因となったとの見方もあり、米金利の動きとともにユーロの動きにも注目したい。
11/9の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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米国 | 22:30 |
新規失業保険申請件数(11/4までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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21.9万件 | 21.7万件 |
前回は市場予想を上回り、2週連続の増加で9/8までの週以来の高水準となった。一方、失業保険継続受給者数は、5週連続の増加となり、4/14までの週以来の高水準となった。申請件数は依然として歴史的水準であるものの、新たな仕事を見つけることが難しくなり始めていることが示された。今回は、前週から小幅増加が予想されており、特に継続受給者数の結果にも注目したい。 |