前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から大幅下落となり、一時前日比690円超下落したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。欧州時間では、序盤に欧州主要株価指数が下落したことから、上値の重い動きとなる場面があったものの、米長期金利の上昇もあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことを受けて、発表直後にドルは下振れとなった。しかし、米長期金利が上昇となるとドル/円も堅調な動きとなり、一時149.50まで上昇した。ただ、その後に米長期金利が低下に転じたことから、ドル/円も149.15まで下落するなど終盤まで上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、FRBの金融引き締めの長期化に対する過度な警戒感が後退したことや、原油価格が下落したことが好感され、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、終盤にかけて米長期金利が低下したことも支援材料となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比227ドル高まで上昇した。その後は上げ幅を縮小したものの底固い動きとなり、116.07ドル高(+0.35%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは108.43ポイント高(0.83%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の堅調な流れが一服し、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。前日の海外時間に、ドル/円が149.70台まで上昇し、日本の政府・日銀の為替介入が予想されている水準である150円台に近づいたことで、序盤から警戒感が強まった。また、日経平均株価が序盤から380円安まで下落したことも、ドル円・クロス円の圧迫要因となった。
(2)午後に入り、日経平均株価が697円安まで下落したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は一段の下落となり、ドル/円は序盤の149.55から149.26まで下落した。しかし、その後に米長期金利が持ち直したことから底固い動きとなった。
(3)NY市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数が市場予想の21.5万件を下回る20.4万件となったものの、前週から増加となったことや、第2四半期の米GDP確報値が改定値から変わらずとなったが、個人消費の確報値が0.8%と改定値の1.7%から下方修正されたことを受けて、発表直後にドルは下振れとなった。しかし、米朝金利の指標となる米10年債利回りが4.686%まで上昇し、2007年9月以来高水準となると、ドル/円も指標発表直後の安値149.17から149.50まで上昇した。その後、米長期金利が低下に転じたことや、米中古住宅販売仮契約が-7.1%と市場予想の-1.0%を上回る大幅なマイナスとなったことから、ドル/円も149.15まで下落するなど、終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
昨日の米国市場では、米10年債利回りが2007年9月以来高水準となるなど、米金利が軒並み上昇したことから、ドルは一時堅調な動きとなった。ただ、その後は米金利が失速したことから、ドルも上値の重い動きとなった。また、上昇局面では、日本の政府・日銀の円買い介入への警戒感も根強いことも影響したと見られている。為替介入に関しては、150円台まで上昇した場面との見方が多いものの、警戒感は強まっている。
その為、149円台後半まで上昇する場面では上値の重い動きとなる可能性が考えられ、また余程インパクトのある材料が出なければ150円台乗せは難しいと見られている。ただ、米金利の上昇が続く場合には、金利高に押される形で大台乗せとなる可能性もあるだけに、金利の動きには注目したい。
本日の米国市場では、PECデフレーターやミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、結果が注目されている。ただ、後者は確報なので、速報からの乖離がなければ反応は限定的と見られている。
9/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
9月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
|
67.7 | 67.7 |
前回の速報値は、市場予想を下回り、前月から1.8ポイント低下した。一方、1年先のインフレ期待は2021年3月以来の低水準に低下した。今回の確定値では、速報値から横ばいが予想されており、2年6ヵ月ぶりの低水準となった1年先のインフレ期待の結果が注目されている。 |