前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まったこともあり、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。ただ、その後は米長期金利が上昇したことや、日経平均株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。欧州時間では、ドルが主要通貨に対して上昇となり、対円でも底固い動きとなった。
米国市場では、米金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。日本政府・日銀の円買い介入への警戒感が高まる中、米長期金利が上昇したことから、ドル/円も一時149.71まで上昇し、昨年10/24以来の高値を更新した。
米株式市場は、FRBの金融引き締めが長期化するとの観測に加え、米議会の予算審議が引き続き難航し、政府閉鎖への警戒感も圧迫要因となり、主要株価指数は軟調な動きとなった。その後、米長期金利の上昇が一服すると、金利動向に敏感なハイテク株を中心に買い戻しの動きも見られ、ナスダックはプラス圏を回復して終了した。ダウ平均株価は、上昇して始まったものの、その後は下落に転じて一時前日比312ドル安まで下落した。終盤には下げ幅を縮小したものの、68.61ドル安(-0.20%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、29.24ポイント高(+0.22%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。日経平均株価が下落して始まり、一時前日比354円安まで下落したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の149.08から148.86まで下落した。
(2)午後に入り、米長期金利が持ち直したことや、日経平均株価が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。さらに、欧州時間でもドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、米国の金融引き締めの長期化観測を背景にドル先高観が高まっており、米金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。日本政府・日銀の円買い介入への警戒感が高まる中でも、米長期金利の指標となる米10年債利回りが序盤の4.490%から4.640%まで上昇し、2007年10月以来、約15年11ヵ月ぶりの高水準となったことから、ドル/円も序盤の149.15から149.71まで上昇し、昨年10/24以来の高値を更新した。一方、ドルは対ユーロで1/6以来、対ポンドで3/17以来の高値を更新した。
本日のトピックス
ドル/円は、前日の海外時間で一時149.71まで上昇して年初来高値を更新した。ここまで3営業日連続で高値を更新しており、日本政府・日銀の為替介入の目安と予想されている150円台に近付いている。このこともあり、本日の東京市場では序盤から上値の重い動きとなっている。米FRBの金融引き締めの長期化観測を背景に、米長期金利の上昇が続いており、日米の金利差拡大がドルの押し上げに寄与している。引き続き、米長期金利の動きに注目し、ドル/円が150円台に近付く動きとなるのか注目されている。
本日の海外市場では、ドイツの消費者物価指数、米国の第2四半期のGDP確報値などの発表が予定されているが、このところの経済指標の結果に対するマーケットの反応は限定的となっている。そのため、市場予想と乖離しなければ、反応は限定的と考えられる。むしろ、金利の動きに敏感に反応する展開が続いていることから、金利の動きに注目したい。
9/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(9/23までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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21.5万件 | 20.1万件 |
前回は市場予想を大幅に下回り、今年1月以来の低水準となった。一方、継続受給者数も年初以来の低水準まで改善し、労働市場の底固さが改めて示された。今回は、前週から増加が予想されているが、依然として歴史的低水準であることから、雇用の減速との受け止めにはならないと見られている。 |