前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場終盤の動きを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から大きく下落したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、米長期金利の上昇を受けて堅調な動きとなる場面もあったが、149円台を前にして上値の重い動きが続いた。午後には、米長期金利の上昇とともにドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、財務相の円安を牽制する発言を受けて、下落に転じて欧州時間に入っても上値の重い動きが続いた。
米国市場では、欧州時間の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。その後、低下していた米長期金利が上昇に転じたことに合わせ、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は再び149円台乗せとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。
米株式市場では、FRBの金融引き締め長期化への警戒感が根強く、米長期金利が上昇したことから、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、米議会の予算審議が難航しており、政府機関閉鎖への警戒感も圧迫要因となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比437ドル安まで下落した。ただ、引けにかけて下げ幅を縮小し、388.00ドル安(-1.14%)で終了。一方、金利動向に敏感なナスダックは207.71ポイント安(-1.57%)と下げ幅が拡大した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から大きく下落となり、前日比300円超下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。しかし、その後は時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル/円は安値の148.70から148.96まで上昇し、前日の高値と面合わせとなったが上抜けとならずに上値の重い動きとなった。
(2)米長期金利が一服したことや、午後に入り日経平均株価が下げ幅を拡大したものの、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。その後、再び米長期金利が上昇したことから、ドル/円は堅調な動きとなり一時149.19まで上昇し、昨年10/24以来の高値を更新した。その後、鈴木財務相の円安牽制発言を受けて、ドル円・クロス円は下落に転じ、ドル/円は147.76まで下落した。
(3)米国市場では、東京時間と欧州時間に鈴木財務相の円安牽制発言を受けて、ドル円・クロス円が上値の重い動きとなった欧州時間の流れを引き継ぎ、序盤から限定的な動きとなった。ドル/円は、序盤から148.70台から148.90台で上値の重い動きとなった。なお、序盤に発表された米消費者信頼感指数と新築住宅販売件数が市場予想を下回ったものの、リッチモンド連銀製造業指数が1年5ヵ月ぶりのプラス改善となるなど、強弱まちまちの結果となったことで、マーケットの反応は限定的だった。
(4)その後、低下していた米長期金利が上昇に転じ、米10年債利回りが序盤の4.480%から4.562%まで上昇し、2007年10月以来の高水準となったことに合わせ、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円は再び149.09まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、ドル/円は149.09まで上昇したものの、東京時間に付けた高値の149.19には届かなかった。昨日は、午前と午後に鈴木財務相の円安牽制発言があったが、為替介入が予想されている150円台に近づく149円台だったことから、午後の発言にはやや敏感に反応して148.70台まで下落する場面もあった。この動きが海外市場でも、上値を抑える原因となったと見られている。海外市場の終盤には、ドル/円は再び149円台前上昇しているものの上値の重い動きとなり、東京時間でも上値の重い動きとなっている。ここから、前日高値を上抜けて年初来高値を更新する動きとなるのか、注目されている。
本日の海外市場では、8月の米耐久財受注の発表が予定されており、結果が注目されている。また、米議会の予算審議が難航していることから、このままなら10月に政府機関の一部が閉鎖される可能性もあり、警戒感が高まっている。そのため、予算審議に関連する報道などにも注目したい。さらに、ドル/円の上昇する場面では、当局者の円安牽制発言も想定されているが、発言はこれまでと同じ内容だが、値頃もあり149円台では敏感に反応する可能性も考えられる。ただ、大きく円高に振れる可能性は低いと見られている。
9/27の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
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-0.5% | -5.2% |
前回は市場予想を上回るマイナス幅となり、2020年4月以来の大幅なマイナスとなった。借り入れコストの上昇を受けて、企業が設備投資に慎重な姿勢を示していることが示された。ただ、変動の大きい輸送機器が-14.3%となったことが影響したが、輸送機器を除いた受注は+0.5%とプラスを維持している。今回は、引き続きマイナスが予想されており、輸送機器を除いた受注がプラスを維持するのか注目したい。 |