前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、前日の海外市場で底固い動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。また、五・十日に当たり、仲値公示近辺では実需のドル買いが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後は、米長期金利が上昇したことや、日経平均株価がプラス圏を回復したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、オーストラリア中銀が政策金利の据え置きを決定したが、マーケットでは利上げ打ち止めとの見方も根強く、豪ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。欧州市場では、米長期の上昇を受けてドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、対ドルで下落したことから、欧州通貨は対円でも上値の重い動きとなった。
米国市場では、欧州市場の流れを受けて、ドルは序盤から堅調な動きとなった。しかし、FRB理事が「データは差し迫って何かをする必要を示していない」との見解を示したことを受けて、米金利の低下とともにドルも売られた。ただ、その後にFRB理事が「直近の経済データは利上げの必要性を見極める余地を与えている」との見方を示したことで、米金利が再び上昇となったことから、ドルも再び堅調な動きとなり、ドル/円は一時147.80まで上昇した。
米株式市場では、米長期金利の上昇に加え、原油価格が上昇したことでインフレ懸念が高まり、FRBの利上げが長期化するとの警戒感が強まったことから、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤に前日比33ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて軟調な動きとなった。終盤に202ドル安まで下落し、195.74ドル安(-0.56%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、底固い動きが見られたものの10.86ポイント安(-0.08%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。五・十日に当たり、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことも支援材料となった。しかし、豪ドルはオーストラリアの経常収支が市場予想を下回ったことや、中国のサービス業関連の指標が悪化したことが影響してドルや円に対して上値の重い動きとなった。その後、前日比63円高まで上昇した日経平均株価が下落に転じ、一時154円安まで下落したことからドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)午後に入ると、上昇も一服して上値の重い動きとなった。しかし、マイナス圏での推移が続いた日経平均株価がプラス圏を回復したことや、時間外取引で米長期金利の上昇が続いたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は朝方の146.42から147.02まで上昇した。ただ、147円台では上値が抑えられた。一方、オーストラリア中銀は政策金利であるオフィシャルキャッシュレートの据え置きを決定した。予想通りの据え置きとなったものの、利上げ打ち止めとの見方も強まり、豪ドルは主要通貨に対して下落となり、対円では発表前の94.28から93.57まで下落した。その後は、米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、米金利上昇を受けてドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、ウォラーFRB理事が「データは差し迫って何かをする必要を示していない」と見解を示したことを受けて、米金利の低下とともにドルも売られた。ドル/円は、147.51から147.08まで下落したものの、その後にウォラーFRB理事が「あと1回の利上げが景気後退を誘発するとは思わない」とした上で、「直近の経済データは利上げの必要性を見極める余地を与えている」との見方を示したことや、クリーブランド連銀総裁が「政策金利をやや引き上げる必要があるかもしれない」と発言したことを受けて、米10年債利回りが4.269%まで上昇して8/25以来の高水準を付けるなど、米金利が軒並み上昇したことで、ドル/円も一時147.80まで上昇して昨年11/4以来の高値を更新した。
本日のトピックス
昨日の米国市場では、米当局者のタカ派発言に加え、サウジとロシアが年末まで原油の減産を継続する方針を示したことを受けて原油価格が上昇となり、インフレ率の上昇が進みFRBの利上げが長期化するとの見方が広がり、米長期金利の上昇とともにドルも主要通貨に対して堅調な動きとなった。
マーケットでは、FRBの年内の追加利上げはないとの見方が大勢となっているが、年末まで原油価格の上昇が続く場合には、インフレ率を再び押し上げる可能性もあり、その場合に追加利上げの可能性が高まるとの見方も出始めている。そのため、ドルの一段の上昇を予想する見方があるものの、対円では昨年の為替介入時の高値を再び上回ってきていることから、政府・日銀の介入への警戒感が強まる可能性もあり、当局者の牽制的な発言にも注意したい。これらのことから、ドルはやや神経質な展開が考えられる。
当面は、来週の米消費者物価指数の結果が注目されているが、目先の原油価格の動きにも注目したい。本日の米国市場では、ISM非製造業景況指数、そして次回のFOMCの資料となるベージュブック(米地区連銀経済報告)も予定されており、結果と内容が注目されている。また、カナダ中銀の金融政策発表も予定されており、政策金利の据え置きがコンセンサスとなっているが、結果と声明には注目したい。
9/6の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
7月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-680億USD | -655億USD |
前回は市場予想を上回る赤字額となったものの、2ヵ月連続で赤字額は縮小となった。輸入が約1年半ぶりの低水準に落ち込んだことが影響し、利上げを受けて企業投資と全般的な内需が減速している可能性が示唆された。今回は、赤字額の拡大が予想されており、3ヵ月ぶりに赤字額が拡大すると見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
8月ISM非製造業景況指数
ISM非製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の非製造業(サービス業)の景況感を示す指数。管理責任者に対するアンケートを集計した指数であり、50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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52.5 | 52.7 |
前回は市場予想を下回り、2月以来の高水準まで回復した6月の結果から低下となった。昨年12月に2年7ヵ月ぶりに景気の拡大縮小の判断基準の50を下回ったが、その後は活動の拡大傾向が続いていることが示された。今回は前月からの低下が予想されているが、引き続き拡大傾向が続いていることが示されると予想されているが、前月低下した新規受注や雇用に改善が見られるのか注目したい。 |