前営業日トピックス
東京市場では、序盤のドル円・クロス円は上値の重い動きとなったものの、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、米長期金利の上昇も加わり、ドル円・クロス円はその後堅調な動きが続いた。ただ、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長の講演を控えて、全般的には限定的な動きとなった。欧州時間に入ると、欧州株や米金利の上昇を受けて、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。
米国市場では、米長期金利の上昇や、米新規失業保険申請件数が良好な結果となったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。その後、FRB高官のハト派発言や米金利が低下に転じたことから、ドルの軟調な動きとなった。ただ、別のFRB高官のタカ派発言や、パウエルFRB議長が25日の講演でタカ派的な発言をするとの見方が根強く、終盤にかけてドル/円は再び上昇した。
米株式市場では、序盤から堅調な動きとなったものの、パウエルFRB議長がジャクソンホール会議での講演でタカ派姿勢を示すとの警戒感が根強く、上値の重い動きとなった。さらに、FRBの利上げ長期化を懸念した売りが優勢となり、主要株価指数は軒並み下落に転じて軟調な動きとなった。また、週明けから上昇していたハイテク関連株が売られたことから、ナスダックは大幅反落となった。ダウ平均株価は、序盤は一時前日比221ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて軟調な動きが続き、373.56ドル安(-1.08%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、257.06ポイント安(-1.87%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを受けてドル/円は序盤から堅調な動きとなった。また、ドル/円の下落に連れてクロス円も軟調な動きとなった。しかし、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比188円高まで上昇したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル/円・クロス円は堅調な動きとなった。また、仲値公示にかけては実需のドル買いが観測されたことも押し上げ要因となった。
(2)午後に入り、日経平均株価が270円高まで上げ幅を拡大したことや、米長期金利が一段の上昇となったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、欧州時間では欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことや、米長期金利の上昇が続いたことから、ドル円・クロス円は一段の上昇となり、ドル/円は序盤の144.60から145.48まで上昇した。
(3)米国市場では、米長期金利の上昇に加え、米新規失業保険申請件数が市場予想の24.0万件を下回る23.0万件と良好な結果となったことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。その後、米長期金利が低下に転じたことや、FOMCの投票権があるフィラデルフィア連銀総裁が「金融政策は恐らく十分講じただろう」とし、「インフレが早く低下すれば利下げも早くなる可能性も」との見解を示したこともドルの圧迫要因となった。ドル/円は、序盤の145.65から145.96まで上昇後、145.44まで下落した。
(4)その後、ボストン連銀総裁が「さらなる利上げの可能性がある」「しばらく政策を維持する必要がある可能性が非常に高い」との見方を示したことに加え、パウエルFRB議長が25日の講演でタカ派的な発言をするとの見方も根強く、終盤にかけて米長期金利が再び上昇したことから、ドル/円も再び145.94まで上昇した。
本日のトピックス
東京市場では、海外市場で米長期金利が上昇したことでドルが上昇した流れを引き継ぎ、ドルは序盤から堅調な動きとなり、ドル/円の上昇にクロス円も底固い動きとなった。本日は、海外時間にジャクソンホール会議でパウエルFRB議長の講演が予定されており、発言の内容が注目されている。マーケットでは、タカ派的な発言が予想されており、最近の米金利上昇にもつながっている。タカ派発言が聞かれれば、ドルは一段の上昇となる可能性も考えられる。
また、経済指標では、8月のミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されているが、今回は確報であり速報から横ばいが予想されていることから、予想通りの結果なら反応は限定的と見られている。
8/25の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
8月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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71.2 | 71.2 |
前回の速報は、市場予想を下回り、7月の確報値から0.4ポイント低下した。現況指数は2021年10月以来の高水準となったが、期待指数は低下しており、消費者が先行きに不安抱いていることが示された。今回の確報は、速報から横ばいが予想されており、予想通りの結果なら反応は限定的と見られている。 |