前営業日トピックス
東京市場では、序盤に下落した日経平均株価がプラス圏を回復したことや、米長期金利の上昇を受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。その後、米長期金利が低下したことや、上昇した日経平均株価が再びマイナス圏に下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、日銀の臨時国債買い入れオペが見送られたことから、米長期金利が上昇に転じたこともあり、ドル円・クロス円は持ち直したものの、値動きは限定的となった。
米国市場では、7月の米雇用統計で、失業率が前月から改善したものの、非農業部門雇用者数が市場予想を下回るなどまちまちの結果となる中、賃金が予想を上回ったことからFRBの利上げ継続を示唆するとの見方が広がり、米長期金利が上昇とともにドル上昇した。しかし、米長期金利が低下に転じたことや、過去2ヵ月分が下方修正されたこともあり、ドルは下落に転じ、ドル/円は序盤の高値の142.92から141.55まで下落した。
米株式市場では、米雇用統計で雇用者数が市場予想を下回ったこと受けて、FRBの利上げ継続への警戒感が和らぎ、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ただ、上昇一服後は上値の重い動きとなり、さらに冴えない決算発表を受けてアップルが大きく下落したことが圧迫要因となり、主要株価指数は終盤に軒並みマイナス圏まで下落した。ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比290ドル高まで上昇した。その後、下落に転じてマイナス圏まで下落し、150.27ドル安(-0.43%)で終了し3営業日続落。一方、ハイテク株中心のナスダックは、50.47ポイント安(-0.36%)で終了し4営業日続落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤からドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、下落して始まり一時前日比224円安まで下落した日経平均株価が上昇に転じて135円高まで上昇したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。また、実質的な五・十日にあたり、実需のドル買いが観測されたことも押し上げ要因となり、ドル/円は序盤の142.50から142.88まで上昇した。仲値通過後は、日経平均株価が再びマイナス圏に下落したことや、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなり、ドル/円は142.32まで下落した。
(2)日銀の臨時国債買い入れオペが見送られたことから、米長期金利が上昇に転じたことを受けて値を戻したものの、米雇用統計を控えて積極的な売買が手控えられたことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。欧州時間では、序盤に欧州主要株価指数が上昇したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された7月の米雇用統計で失業率が3.5%と前月3.6%から改善したものの、非農業部門雇用者数が市場予想の+20.0万人を下回る+18.7万人となるなど、まちまちの結果となった。また、賃金が4.4%と市場予想の4.2%を上回ったことから、FRBの利上げ継続が示唆されるとの見方が広がり、米長期金利が上昇となり、ドル/円は142.63から一時142.92まで上昇した。しかし、昨年11/8以来の高水準となる4.202%まで上昇した米10年債利回りが低下に転じ、4.033%まで低下したことや、非農業部門雇用者数で過去2ヵ月分が-4.9万人下方修正されて実質の伸びがさらに低下したこともあり、ドル/円は141.55まで下落した。さらに、シカゴ連銀総裁が「いつまで金利を維持するかについて検討を始めるべき」、アトランタ連銀総裁が「インフレ抑制に向けた一段の利上げは必要ない」と発言したことも、ドルの圧迫要因となった。
(4)下げ一服後は、やや値を戻す動きが見られたものの、イベントが終了したことや、週末であることから、限定的な動きが続いた。
本日のトピックス
前週末の米雇用統計の発表が終了したことで、マーケットの注目は10日の米消費者物価指数に移っている。本日は、米雇用統計の発表後にドルが下落したこともあり、下げ一服となり底固い動きが予想されている。
本日の海外市場では、主要な経済指標の発表がなく、新規材料に乏しいことから、引き続き限定的な動きが予想されている。ただ、その中で複数の米金融当局者の発言が予定されており、先週末にも複数の当局者の金融政策に関する発言がドルの圧迫要因となっていたことから、発言の内容を受けて動きが出る可能性もあり、注意も必要だろう。