前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤からやや軟調な動きとなった。ただ、下落して始まった日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことや、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ただ、日米欧の金融政策発表を翌週に控えており、積極的な売買が手控えられたことから、値動きは限定的だった。欧州時間の序盤には、日銀はYCC修正の必要性は乏しいと見ているとの関係者の発言が報道されたことを受けて円売りが強まり、ドル円・クロス円は大幅上昇となった。
米国市場では、関係者の発言を受けて円売りが強まった流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。その後は、米金利が持ち直したことから、再び上昇に転じたものの新規材料に乏しく、終盤まで小動きの展開が続いた。
米株式市場では、FRBによる利上げが早期に終了するとの見方が引き続き材料視され、主要株価指数は序盤から底固い動きとなった。ただ、ここまで上昇が続いたことで、利益確定売りも観測されて上値は限定的となった。ダウ平均は、序盤から堅調な動きとなったものの、下げ一服後は軟調な動きとなり一時前日比39ドル安まで下落した。ただ、その後は底固い動きが続いて2.51ドル高(+0.01%)で終了、10営業日続伸となり終値ベースでは昨年3/30以来約1年4ヵ月ぶりの高値を更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、序盤から上値の重い動きが続き、終盤に再びマイナス圏まで下落して30.50ポイント安(-0.22%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤の軟調な流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、序盤に前日比400円超下落した日経平均株価が下げ幅を縮小し、75円安まで下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の140.10から一時139.75まで下落したものの、その後は140.31まで上昇する動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が28円安まで下げ幅を縮小したものの、その後再び下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、下値は限定的となり、再び堅調な動きとなった。ただ、週末であることや、翌週に日米欧の金融政策発表を控えており、値動きは限定的だった。しかし、欧州時間の序盤に、関係者の話として日銀は現時点でYCC修正の必要性は乏しいと見ているとの報道されたことを受けて円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は大幅な上昇となった。ドル/円は、140.21から141.96まで上昇する動きとなった。
(3)米国市場では、欧州時間で円売りが強まった流れが一服し、さらに米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.846%から3.807%まで低下するなど、米金利が軒並み低下したことも加わり、序盤のドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、一時141.22まで下落した。
(4)その後、米金利が持ち直したことから、再び141.87まで上昇する場面もあったが、週末で新規材料に乏しいこともあり、終盤まで小動きの展開が続いた。
本日のトピックス
今週は、FOMC(26日)、ECB理事会(27日)、日銀金融政策決定会合の結果発表(28日)が予定されており、一部では大きな動きが出る可能性を指摘する見方もある。
FOMCでは、追加利上げが予定されているが、マーケットでは0.25%の利上げをほぼ織り込んでおり、マーケットの注目はドットチャートで示された年内2回の利上げがあるのかどうかである。マーケットでは、年内1回の利上げとの見方が大勢であることから、さらに追加利上げの可能性を示唆する場合にはドル買いが加速する可能性も考えられる。逆に、利上げサイクルの終了の可能性を示唆する場合には、ドルの下落につながる可能性も考えらる。また、FOMCの終了後からは、米当局者の発言なども解禁されることから、発言には敏感に反応する可能性もあり注意が必要だろう。
一方、日銀は政策の現状維持予想が大勢だが、イールドカーブコントロールが修正されるとの見方もあり、修正される場合には円買いが加速する可能性も考えられる。ただ、一時的な修正なのか、大規模緩和の正常化に向けた第一歩としての位置づけなのかで下振れ幅に違いが出てくる可能性も考えられる。このことから、週末まで値動きには注意が必要だろう。
本日の海外市場では、ドイツやユーロ圏、米国の7月の製造業・非製造業PMIの発表が予定されている。今回は、速報値の発表であることから、前月の結果や市場予想から乖離する結果となる場合には、動きが出る可能性もあるだろう。ただ、FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが強まる可能性も考えられる。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、一目均衡表の雲上限に沿って底固い動きが続き、先週末には上値のポイントとなる一目均衡表の基準線を上抜ける動きとなっており、ここからさらに一段の上昇となるのか、再び上値の重い動きとなるのか注目したい。
目先の動きを見る上で注目されるオシレーターのMACDでは、両線の乖離幅の縮小傾向が続いており、両線がクロスしたことから、目先の堅調な動きを示唆する形状となり始めている。ここから両線の乖離幅が拡大し、両線が上向きとなるのか注目したい。
一方、より短期の動きを見る上で注目されるストキャスティクスでは、両線が上向き継続中だが、先行するラインが失速し始めており、ここからクロスするようだと目先軟調な動きを示唆する形状となる。
このことから、短期的(2ー3日程度)には上値の重い動きとなる可能性も考えられるが、その後は堅調な動きとなる展開が予想される。ただ、下値のポイントとなる一目均衡表の基準線を下抜ける展開となる場合には、再び雲上限近辺までの下げも考えられ、そこも下抜ける場合には直近安値の137.240が重要なポイントとなる。さらに、この137.240を下抜ける場合には一段の下げとなる可能性も予想され、その場合の下値目標の計算値は134.133と計算できる。