前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなると、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は一時6/16以来の安値を更新した。
米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米長期金利の上昇を受けて、序盤から堅調な動きとなった。ただ、その後は金利の上昇が一服して低下に転じたことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、一時140.95まで上昇したものの、終盤にかけ140.30まで下落した。
米株式市場では、米消費者物価指数の発表を翌日に控え、インフレ率の鈍化が予想されていることから、FRBによる利上げ長期化への懸念が和らぎ、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米企業の四半期決算発表を控えて、業績への期待感も押し上げ要因となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、終盤には一時前日比344ドル高まで上昇した。引けにかけて高値圏を維持したまま、317.02ドル高(+0.93%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、75.22ポイント高(+0.55%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比278円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円も序盤から堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価が上昇一服後に74円高まで上げ幅を縮小したことを受けて、ドル円・クロス円も軟調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したこともあり、ドル/円は序盤の高値の141.46から140.61まで下落した。
(2)午後に入ると、日経平均株価が105円安まで下落したことや、米金利の低下も加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続き、ドル/円は欧州時間に一時140.16まで下落して6/16以来の安値を更新した。一方、英国の雇用統計で、賃金が市場予想を上回ったことを受けて、ポンドは主要通貨に対して上昇となり、ポンド/円は序盤の安値181.00から181.76まで上昇した。
(3)米国市場では、アジア時間からの軟調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米長期金利の上昇を受けて、序盤から堅調な動きとなった。一方、英国の雇用統計で、賃金が予想を上回ったことを受けて、改めて英中銀の利上げ観測が高まったとの見方が広がり、ポンドは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ポンド/円は、一時181.85まで上昇した。
(4)ただ、米消費者物価指数の発表を控えて、指数の鈍化が予想されており、利上げサイクルが予想より早く終了するとの見方を背景に、その後は米長期金利が低下に転じたことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の140.30から一時140.96まで上昇したものの、終盤にかけて再び140.30まで下落した。
本日のトピックス
本日の海外市場では、米国の6月の消費者物価指数の発表が予定されており、結果が注目されている。市場予想では、前年比で大幅な鈍化が予想されているものの、コア指数の鈍化は緩やかと見られていることから、マーケットが結果をどのように受け止めるのかが注目されている。一部では、インフレ率の鈍化が進むとの見方から、FRBの利上げサイクルが予想よりも早く終了するとの見方が出ていることもあり、結果を受けて思惑が交錯する可能性も考えられる。
また、その他ではカナダ中銀の金融政策発表が予定されており、利上げが予想されている。さらに、リッチモンド連銀総裁、ミネアポリス連銀総裁、アトランタ連銀総裁など複数のFRB当局者の発言も予定されていることから、米消費者物価指数を受けてどのような見解を示すのかにも注目したい。発言の内容次第では、ドルの振れ幅が大きくなる可能性も考えられる。
7/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
6月消費者物価指数(前年比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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3.1% | 4.0% |
前回は、前年比で市場予想を下回る上昇率となり、11ヵ月連続で鈍化し、2年2ヵ月ぶりの低水準となった。変動が大きい食品とエネルギーを除いた指数は、前年比ベースで前月から鈍化したものの、市場予想を上回り、緩やかな鈍化が続いていることが示された。今回も大幅な鈍化が予想されているが、コア指数の鈍化ペースが注目されている。 |