前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前週末比250円超上昇したことから、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、実需のドル買いが観測されたことや、米長期金利が上昇したことも押し上げ要因となった。上昇一服後にやや軟調な動きとなったものの、欧州通貨や資源国通貨を中心に堅調な動きとなった。また、欧州時間では米金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
米国市場では、米金利の低下に連れてドルは序盤から軟調な動きとなった。その後は、米金利が持ち直したことから、ドルも主要通貨に対して上昇となり、ドル/円は139.77まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したものの、ドル/円の上昇に連れて対円では底固い動きとなった。
米株式市場では、FOMCで政策金利が据え置かれるとの見方が強まっており、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、四半期決算の発表を控えた米ソフトウエア大手が買われたことから、ナスダックは上げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、終盤に前週末比201ドル高まで上昇した。高値圏を維持したまま、189.55ドル高(+0.56%)で終了し、終値ベースで4/28以来の高値を更新した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、202.78ポイント高(+1.53%)終値ベースで昨年4/19以来の高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、序盤から軟調な動きとなったものの、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前週末比252円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことも支援材料となり、ドル/円は、序盤の安値139.26から139.64まで上昇した。
(2)午後に入り、日経平均株価が下落に転じて、一時15円高まで上げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後は、再び日経平均株価が持ち直したことや、欧州通貨や資源国通貨が対ドルで堅調な動きとなったことから、対円でも堅調な動きとなった。欧州時間では、米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米金利の低下に連れてドルは序盤から軟調な動きとなった。その後は、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.710%から3.791%まで上昇するなど、米金利が持ち直したことから、ドルは主要通貨に対して上昇となり、ドル/円は序盤の安値139.09から139.77まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したものの、ドル/円の上昇に連れて対円では底固い動きとなった。
本日のトピックス
本日は、米国の消費者物価指数の発表が予定されており、結果を受けて米国の今後の金融政策に対する思惑が交錯して大幅な動きとなる可能性も考えられる。
予想通りの大幅な鈍化となる場合や、予想以上の鈍化となる場合には、利上げ観測の後退となり、予想程の低下とならなければ、追加利上げの可能性が意識されて、ドルの上振れとなる可能性も考えられる。ただ、予想に届かない場合でも、予想の範囲内の結果なら、大幅な動きにはなり難いと考えられる。
米消費者物価指数の発表までは、様子見ムードが強まる可能性もあり、積極的な売買や、ポジションを傾けにくいことから、限定的な動きが続く可能性も考えられる。
6/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
5月消費者物価指数(前年比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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4.1% | 4.9% |
前回は市場予想を下回り、10ヵ月連続の鈍化で2年ぶりの5%割れとなった。また、コア指数も鈍化し、インフレの鈍化傾向が続いていることが示された。ただ、FRBの目標を依然として大きく上回っている。今回は、大幅低下が予想されており、予想通りの結果ならドルの下振れとなる可能性もあり、仮に予想以上の鈍化となり、4%割れとなる場合には利上げ終了との見方が強まる可能性も考えられる。 |