前営業日トピックス
東京市場では、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じ、高値から790円超下落したことから投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、欧州時間に持ち直す動きが見られたものの、値動きは限定的だった。
米国市場では、カナダ中銀が予想外の利上げを決定したことで、FRBも利上げに積極的な姿勢を示すとの見方が広がり、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は一時140.25まで上昇し、クロス円もドル/円の上昇に連れて堅調な動きとなった
米株式市場では、原油価格や米長期金利の上昇を背景に、エネルギー、金融セクターが買われたことから、ダウ平均は序盤から堅調な動きとなった。一方、株価上昇を牽引していたハイテク株が売られたことで、ナスダックは下落に転じて下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は序盤から堅調な動きとなり、一時前日比135ドル高まで上昇した。引けにかけて上げ幅を縮小し、91.74ドル高(+0.27%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、上昇して始まったものの、その後は下落に転じて下げ幅を拡大し、171.53ポイント安(-1.29%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤に前日比201円高まで上昇した日経平均株価が下落に転じ、500円超下落したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の139.66から139.16まで下落した。
(2)午後に入り、日経平均平均株価が持ち直したことから、ドル円・クロス円も値を戻す動きとなったものの、終盤に日経平均株価が再び下げ幅を拡大し、前日比593円安と引け安で終了したことから、ドル円・クロス円は一段の下げとなった。特に、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも下げ幅が拡大した。
(3)米国市場では、序盤に発表された米貿易収支で赤字額が市場予想を下回ったものの、前月から大幅に拡大したこともあり、ドルは上値の重い動きとなった。ドル/円は、上昇一服後下落に転じた。
(4)オーストラリア中銀に続きカナダ中銀が予想外の利上げを決定したことで、FRBも利上げに積極的な姿勢を示すとの見方が広がり、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.692%から3.799%まで上昇して5/26以来の高水準となるなど、米金利が軒並み上昇したことでドルも主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の安値139.03から140.25まで上昇し、クロス円もドル/円の上昇に連れて堅調な動きとなった。なお、利上げ決定を受けてカナダドルは主要通貨に対して上昇し、対米ドルで5/8以来、対円では昨年11/23以来の高値を更新した。
本日のトピックス
昨日は、オーストラリア中銀に続き、カナダ中銀が3会合ぶりに利上げを決定したことを受けて、来週のFOMCでもFRBが金融引き締めに積極的な姿勢を示すとの見方が広がり、米金利上昇とともにドルも主要通貨に対して上昇した。
金利先物市場では、来週のFOMCでの0.25%の利上げを33%織り込む水準となっており、来月7月のFOMCでの0.25%の利上げを82%織り込む水準となっており、ほぼ前日と変わらない水準となっている。一部では、米国の利上げ期待が高まったとの見方もあるが、大半は来週FOMCの前に発表される米消費者物価指数の結果次第と見ている。
そのため、ポジションを傾けにくく、一時的に金利の上昇を受けてドルが上昇する場面があったとしても140円台では上値が重く、引き続き139.50近辺を中心としたレンジ内での動きが続くと見られる。
6/8の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(6/3までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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23.7万件 | 23.2万件 |
前回は2週連続の増加となったものの、水準的には労働需要の堅調さが維持されたと見られている。ただ、メモリアルデーを控えていたこともあり、申請が増加した可能性を指摘する向きもあった。今回は、前週から更に増加が予想されているが、祝日で集計日数が少ないこともあり、前週からの減少を予想する向きもある。 |