前営業日トピックス
東京市場では、先週末の海外市場の堅調な流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。日銀が金融政策を変更しなかったことで日米の金利差拡大観測から円売りとなった流れが継続した。さらに、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことも加わり、クロス円も堅調な動きとなった。ただ、午後に入ると欧州通貨が下落したことから、ドルや資源国通貨も対円で軟調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が市場予想を上回る結果となり、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、一時137.54まで上昇して3/8以来の高値を更新した。また、日欧の金利差拡大が意識され、ユーロも対円で2008年9月以来の高値を更新した。
米株式市場では、序盤に発表された米経済指標が良好な結果となったことや、経営破綻した米地銀を米大手金融が買収されたことを好感し、序盤は堅調な動きとなった。ただ、FOMCで利上げ決定が確実視されていることや、米金利が軒並み上昇したことが嫌気され、終盤には失速して主要3指数はマイナス圏に落ち込み、小幅安となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比159ドル高まで上昇した。ただ、その後は下落に転じてマイナス圏まで下落、46.46ドル安(-0.14%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、13.98ポイント安(-0.11%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場の堅調な流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が上昇して始まり、一時前週末比280円超上昇したことや、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことも加わり、ドル円・クロス円は一段の上昇となった。ドル/円は、序盤の136.19から136.91まで上昇した。
(2)午後に入っても、堅調な動きが続き、ドル/円は136.98まで上昇して3/9以来の高値を更新した。また、ユーロ/円も150.85まで上昇した。ただ、欧州時間では上昇一服となり、さらに欧州主要株価指数が序盤から下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された4月のISM製造業景況指数、建設支出がともに市場予想を上回る結果となり、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。米長期金利の指標となる米10年債利回りは3.457%から3.604%まで上昇、米2年債利回りも4.074%から4.161%まで上昇するなど、ともに4/19以来の高水準となり、ドル/円は序盤の136.71から137.54まで上昇して3/8以来の高値を更新した。また、ECB理事会で利上げが見込まれており、日欧の金利差拡大が意識され、ユーロも対円で2008年9月以来の高値を更新した。
本日のトピックス
東京市場では、前日の海外市場の堅調な動きを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、前日の海外市場の高値の137.54を上抜けて137.58まで上昇して3/8以来の高値を更新、またユーロ/円も2008年9月以来の高値を更新した。FRBとECBの利上げが確実視される中、日銀が政策の現状維持を発表したことで、欧米と日本の金利差拡大が引き続き材料視されており、ドル円・クロス円は堅調な動きが続くと見られている。ただ、日本の連休を控えていることもあり、ポジション調整の動きも警戒されており、一時的な下振れには注意したい。また、本日の米国時間では、3月の米求人件数の発表が予定されており、引き続き労働需要の減速が示されるのか注目されている。
5/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:00 | 米国 |
3月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
|
972.5万件 | 993.1万件 |
前回は市場予想を大幅に下回り、2021年5月以来の低水準となり、労働市場の需要が減速していることが示された。今回は、さらに減少が予想されており、予想通りなら2021年4月以来の低水準となり、労働市場の減速が続いていることが改めて示されると見られている。 |