前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなったものの、下落して始まった日経平均株価が上昇に転じてプラス圏を回復したことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。その後、欧州時間に入り、ユーロがドルや円に対して堅調な動きとなり、一段の上昇となった。
米国市場では、序盤に発表された3月の米生産者物価指数が予想以上の低下となり、米金利の低下とともにドルも主要通貨に対して下落した。ドル/円は、一時132.02まで下落したものの、下げ一服後は値頃感の買い戻しの動きに加え、低下した米金利が持ち直したことからドルは底固い動きとなり、終盤には132.80まで値を戻した。
米株式市場では、序盤に発表された3月の米生産者物価指数が予想以上の低下となり、インフレの鈍化が示されたことでFRBが利上げを近く停止するとの観測が広がり、主要株価指数は序盤から堅調な動きが続いた。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きが続き、終盤に一時前日比408ドル高まで上昇した。引けにかけては上げ幅を縮小して383.19ドル高(+1.14%)で終了、終値ベースでは2/15以来約2ヵ月ぶりの高値となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、236.93ポイント高(+1.99%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場で米消費者物価指数が大幅低下となったことを受けて、FRBの利上げサイクル終了が意識されてドルが下落した流れを引き継ぎ、序盤はドル売り・円買いが先行した。ただ、その後は下落して始まった日経平均株価が下げ幅を縮小してプラス圏を回復したことや、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたこと、さらに時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(2)午後に入ると、日経平均株価が上げ幅を拡大し、前日比81円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は引き続き底固い動きとなった。ただ、一段押し上げる材料もなく、上値は限定的だった。その後、ドル円・クロス円は軟調な動きとなる場面もあったが、欧州通貨はドルや円に対して上昇に転じて堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、前日に発表されたの米消費者物価指数に続いて3月の米生産者物価指数も予想以上の低下となり、前年比で2021年1月以来の低水準となるなどインフレの鈍化が示されたことを受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.437%から3.368%まで低下したことに合わせてドルも主要通貨に対して下落した。ドル/円は、序盤の高値133.39から132.02まで下落した。
(4)下げ一服後は、値頃感の買い戻しの動きに加え、低下した米10年債利回りが3.456%まで持ち直したことからドルは底固い動きとなり、ドル/円も132.80まで値を戻した。一方、ユーロはECBの金利先高観もあり、対ドルで一時2022年4/1以来の高値を更新した。
本日のトピックス
3月の米消費者物価指数に続いて3月の生産者物価指数も大きく低下となり、米国のインフレの鈍化が示されたことから、FRBの利上げ終了が近づいているとの見方が広がり、米金利の低下とともにドルは下落した。ただ、5月のFOMCでは利上げが予想されていることもあり、ドルは底固い動きも見られた。ただ、金利先物市場では、年内2回の利下げを織り込まれていることに加え、日銀の政策修正の思惑も根強いことから、ドルの上値は限定的と見られている。
本日は、小売売上高、鉱工業生産、ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されており、米景気の鈍化が示される場合にはドルの下振れとなる可能性もあり、結果が注目される。特に、前日に底固い動きとなったサポートの132.00を下抜ける場合には、一段の下げとなる可能性も考えられることから、こちらにも注目したい。
4/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月小売売上高(前月比)
小売売上高は、米国商務省が百貨店やスーパーの売上調査を基にして発表している指標である。個人消費はGDPの約70%を占めており、小売売上高は個人消費の動向を見る上で重要な経済指標の一つであり、米国経済に与える影響も大きいため注目されている。
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-0.4% | -0.4% |
前回は市場予想と一致して2ヵ月ぶりのマイナスとなった。1月が大幅増となった反動との見方があるものの、直近5ヵ月のうち3ヵ月がマイナスとなったことで、高インフレの影響を受けているとの見方もある。今回は、マイナスが予想されており、インフレと利上げの影響が示唆されるのか注目したい。 | ||||
23:00 | 米国 |
4月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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61.9 | 62.0 |
前回は市場予想を下回る結果となり、4ヵ月ぶりの低下となった。現況指数、期待指数がともに前月から低下したことが影響した。今回はされに低下が予想されているが、特に、1年先のインフレ期待が前回低下となり、2021年4月以来の低水準となったこともあり、今回も低下するのか注目されている。 |