前営業日トピックス
東京市場のドル円・クロス円は、序盤からやや上値の重い動きとなった。その後、日経平均株価が上げ幅を拡大したことや、実需のドル買いが観測されたことから、ドル/円は堅調な動きとなり、クロス円も連れ高となった。午後に入り、米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードが広がり、小動きの展開が続いた。
米国市場では、3月の米消費者物価指数が予想以上の鈍化となったことを受けて、米金利の低下とともにドルは主要通貨に対して下落した。しかし、コア指数が高止まりしていることから米金利の低下は一時的となり、その後持ち直したことからドルも底固い動きとなった。
米株式市場では、序盤に発表された3月の米消費者物価指数の結果を受けて、FRBの利上げサイクル終了への思惑から主要株価指数は上昇して始まった。しかし、次回のFOMCでは利上げが継続されるとの観測から売りが優勢となり、主要株価指数はマイナス圏まで下落した。その後、再び買いが入ったもの、米企業の決算発表を控えて積極的な買いが手控えられたこともあり、終盤に失速した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。仲値公示にかけて実需のドル買いが見られたものの、米消費者物価指数の発表を控えたポジション調整の売買もあり、限定的な動きとなった。その後、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を拡大し、一時前日比191円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の133.55から134.04まで上昇した。
(2)午後には上昇一服となり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後、ドルや円が買われたものの、ドルと円の上昇が一服すると、欧州通貨はドルや円に対して堅調な動きとなり、ユーロは対円で2022年12/16以来、ポンド円は2022年12/20以来の高値を更新する動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された3月の米消費者物価指数が予想以上の鈍化となったことを受けて、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.452%から3.336%まで低下したことに合わせ、ドルも主要通貨に対して下落した。ドル/円は、序盤の高値133.91から132.74まで下落した。
(4)ただ、コア指数が高止まりしていることから米金利の低下は一時的となり、その後持ち直したことからドルも底固い動きとなった。一方、ユーロは、ECB当局者が「5月の理事会で0.50%の利上げが必要となる可能性」とのタカ派発言などもあり、主要通貨に対して堅調な動きが続き、対ドルで2/2以来、対円では昨年12/15以来の高値を更新した。
本日のトピックス
東京市場では、前日の海外市場で米消費者物価指数の結果を受けて、FRBの利上げサイクル終了が意識されてドルが下落した流れを引き継ぎ、序盤はドル売り・円買いが先行した。ただ、その後は下落して始まった日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
マーケットが注目していた米消費者物価指数の結果発表が終了したことで、やや値動きが一服する可能性が指摘されている。ただ、本日の米国市場では、米生産者物価指数、失業保険申請件数の発表が予定されているが、前者は前回の発表時に結果を受けてドルが敏感に反応しているだけに、結果には注目したい。物価の鈍化が示されれば、昨日までとはいかないまでもドルの下振れとなる可能性も考えられる。
4/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月生産者物価指数(前年比)
生産者物価指数(PPI=Producer Price Index)は、米国内の販売業者の販売価格を調査し、算出した物価指数。特に、振れ幅の大きい食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されており、消費者物価指数(CPI)と同様にインフレ圧力を測る指標として注目されている。
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3.0% | 4.6% |
前回は市場予想を下回り、2021年3月以来の低水準となった。サプライチェーンの改善や商品価格が下落したことが全体を押し下げた。今回は、一段の低下が予想されており、コロナ前の過去3年間の平均値である2.3%に近づくのかどうか注目される。 | ||||
21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(4/6までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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23.5万件 | 22.8万件 |
前回は市場予想を上回ったものの、2週連続の減少となった。また、季節調整の手法を改めたことで、今年の申請件数は総じて20万件を上回っていたことになった。そのため、数週間は様子を見る必要があるとの見方も示された。今週は、前回から増加が予想されている。 |