前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外時間のFOMCで0.25%の利上げが決定されたものの、追加利上げへの期待が後退したことで米金利が低下となり、ドル売りとなった海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が290円超下落したことも圧迫要因となった。欧州時間では、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、欧州主要株価指数が下落したものの、ドル/円の上昇に連れて欧州通貨や資源国通貨は底固い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米失業保険申請件数が予想外の改善となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。しかし、米金利が低下に転じると、ドルも上値の重い動きとなり、さらに上昇していた米主要株価指数が下落に転じて下げ幅を拡大したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、イエレン米財務相の発言を受けて一部で金融システム不安が深刻であると受け止められたこともあり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。
米株式市場では、前日大幅下落となった反動や、FRBの利上げ休止が近いとの観測から主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、その後は中小の米金融機関の経営不安に対する懸念を背景に下落に転じたものの、イエレン米財務相が預金の安全保障に関して言及したことで、引けにかけて再び堅調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、前日比481ドル高まで上昇した。しかし、その後は下落に転じて一時165ドル安まで下落したが、引けにかけて再びプラス圏を回復し、75.14ドル高(+0.23%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、117.44ポイント高(+1.01%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)昨晩のFOMCで0.25%の利上げが決定されたが、継続的な利上げが適切との文言が削除されたことで、利上げサイクルの終了が意識され、ドル売りが優勢となった海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から軟調な動きとなった。一方、ドル/円の下落に加え、海外市場の株安を背景に日経平均株価が序盤に前日比290円安まで下落したことから、クロス円も軟調な動きとなった。
(2)その後、時間外取引で上昇していた米長期金利が低下したことから、ドルは一段の下落となり、ドル/円は序盤の高値131.49から130.42まで下落した。一方、日経平均株価が下げ幅を縮小し、午後には4円安まで下げ幅を縮小したことから、クロス円は底固い動きとなった。その後、欧州時間では、米長期金利が上昇したことからドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したものの、ドル/円の上昇に連れて対円では底固い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された米失業保険申請件数が予想外の改善となったことを受けて、米金利上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇した。しかし、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.514%から3.370%まで低下するなど、米金利が低下に転じるとドルも軟調な動きとなった。また、一時前日比481ドル高まで上昇していたダウ平均が165ドル安まで下落するなど、米主要株価指数が下落に転じて下げ幅を拡大したことも加わり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、イエレン米財務相が「預金の安全を保証するために強力な行動を取る」と発言したことを受けて、一部で金融システム不安が深刻であると受け止められたこともあり、ドル円・クロス円は一段の下落となり、ドル/円は序盤の高値131.66から一時130.32まで下落した。
本日のトピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。今週予定されていた主要中銀の金融政策発表がすべて終了したことに加え、週末であることからイベント終了の一服感から積極的な売買が手控えられると見られている。ただ、金融システムに対する不安が根強いことから、関連する報道や要人発言には敏感に反応する可能性も考えられる。
本日の海外市場では、ドイツやユーロ圏、米国の製造業PMIの発表が予定されており、速報値であることから、結果を受けて動きが出る可能性も考えられることから、結果には注目したい。また、米国の耐久財受注の発表も予定されており、前回は予想以上に悪化したこともあり、今回は回復が見られるのか、こちらの結果にも注目したい。
3/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
21:30 | 米国 |
2月耐久財受注(前月比)
耐久財受注(Durable Goods Manufacture's Orders)は、米国の耐久財(耐久年数3年以上)の新規受注額を集計した指標であり、設備投資の先行指標として注目されている。特に、変動の大きい輸送用機器などを除いた受注額が民間の設備投資の先行指標として注目されている。
|
1.0% | -4.5% |
前回は、市場予想を下回り、2020年4月以来の大幅な減少幅となった。民間の航空機が-54.6%と大幅な減少となったことが影響した。変動の大きな輸送機器を除く受注は0.7%と前月からマイナスから改善した。今回は、プラス改善が予定されており、輸送機器が前月の反動で増加すると見られている。ただ、輸送機器を除いた受注がプラスを維持するのか注目したい。 |