前営業日トピックス
東京市場では、前週末の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が下落したことも影響した。下げ一服後は底固い動きとなり、欧州時間にかけて米長期金利が上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
米国市場では、米長期金利が低下したことや、1月の米耐久財受注が2020年4月以来の大幅なマイナスとなったことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ただ、GDPの算出に用いられるコア資本財の出荷が3ヵ月ぶりにプラス改善となったことで、1-3月期のGDPを押し上げるとの見方が広がり、ドルの下値は限定的となった。一方、英国とEUが北アイルランドに関する通商ルール見直しで合意との報道を受けてポンド買いが優勢となり、ポンド/円は昨年12/20以来の高値を更新した。
米株式市場では、米長期金利の低下や米GDPの押し上げ期待を背景に、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。ただ、FRBによる利上げ長期化懸念も根強く、上昇一服後は上げ幅を縮小する動きとなった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、前週末比372ドル高まで上昇した。しかし、その後は下げ幅を縮小して軟調な動きとなり、一時マイナス圏まで下落する場面もあった。ただ、引けにかけて値を戻して72.17ドル高(0.22%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、72.04ポイント高(+0.63%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、前週末の海外市場の流れを受けて、序盤から堅調な動きとなり、前週末の海外市場で付けた高値の136.52を上抜けて一時136.56まで上昇して昨年12/20以来の高値を更新した。しかし、上昇一服後は円買い戻しの動きが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)ただ、時間外取引で米長期金利が上昇したことや、前週末比160円安まで下落した日経平均株価が一時プラス圏まで回復したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ドル/円は、136.00まで下落した後、欧州時間に米長期金利が一段の上昇となったことを受けて、136.44まで値を戻す動きとなった。
(3)米国市場では、一時3.976%まで上昇していた米10年債利回りが低下に転じて一時3.892%まで低下したことに合わせ、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、1月の米耐久財受注が2020年4月以来の大幅なマイナスとなったこともドルの圧迫要因となった。ただ、GDPの算出に用いられるコア資本財の出荷が3ヵ月ぶりのプラスに改善したことで、1-3月期のGDPを押し上げるとの見方が広がり、ドルの下値は限定的となった。ドル/円は、序盤の136.36から135.95まで下落した。
(4)米長期金利の低下が一服したことでドルは底固い動きとなり、ドル/円は136.30まで値を戻す動きとなった。一方、英国とEUが北アイルランドに関する通商ルール見直しで合意との報道を受けてポンド買いが優勢となり、ポンド/円は164.32まで上昇して昨年12/20以来の高値を更新した。
本日のトピックス
前日の米国市場では、米長期金利の低下とともにドルが主要通貨に対して下落したが、米耐久財受注の一部指数の結果が1-3月のGDPを押し上げるとの期待が広がったこともあり、ドルの下値は限定的だった。さらに、最近の経済指標から引き続きインフレが高止まりするとの見方もあり、FRBの利上げ長期化が観測を背景に、ドルは引き続き堅調な動きが続く可能性も考えられる。
米国の金融政策を見る上で、今後の経済指標の結果が注目されており、さらに米当局者の発言内容にも注目が集まっている。本日の米国市場では、2月の米消費者信頼感指数の発表が予定されており、消費者が景気や雇用などの先行きに対してどのような見方をしているのを見極めたい。
2/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
2月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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108.5 | 107.1 |
前回は市場予想を下回り、2ヵ月ぶりの低下となった。景気と労働市場に対する見通しが後退したことが影響した。今回は、前月から上昇が予想されており、どこまで改善しているのか注目される。 |