前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円が序盤から軟調な動きとなったが、仲値公示にかけて実需の買いに支えられて値を戻す動きが見られた。その後は再び軟調な動きとなったものの、日経平均株価が堅調な動きとなったこともあり、クロス円は底固い動きとなった。また、オーストラリアの雇用統計が悪化したことから、一時豪ドルが下落する場面もあったが、下げ一服後は値を戻す動きとなった。その後、欧州市場までドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、米生産者物価指数が市場予想を上回ったことを受けて、FRBによる金融引き締めの長期化観測が高まり、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の133.85から134.46まで上昇した。その後、米長期金利が低下したことからドル/円は133.69まで下落したが、3月のFOMCで0.50%の利上げを排除しないとの米当局者の発言を受けて、ドル/円は再び134円台まで値を戻した。
米株式市場では、14日の米消費者物価指数に続いて米生産者物価指数も市場予想を上回ったことを受けて、FRBの金融引き締めの長期化懸念が改めて意識され、主要株価指数は序盤から軒並み下落した。その後は、下げ幅を縮小したものの、終盤に米当局者が3月のFOMCで0.50%の利上げの可能性を排除しないと発言したことを受けて、主要株価指数は再び下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤に前日比405ドル安まで下落したものの、下げ一服後は86ドル安まで下げ幅を縮小した。ただ、終盤に再び下げ幅を拡大して441ドル安まで下落、431.20ドル安(-1.26%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、214.75ポイント安(-1.78%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して序盤から軟調な動きとなった。また、ドル/円の下落に連れてクロス円も軟調な動きとなった。その後、日経平均株価が上昇して始まったことや、仲値公示にかけてドル買いが観測されたこともあり、ドル円・クロス円は値を戻す動きも見られた。一方、オーストラリアの雇用統計で、失業率が悪化したことや、雇用者数のマイナスとなったことから、豪ドル売りが優勢となり、豪ドル/円は92.50から91.99まで下落した。
(2)仲値通過後は、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドルは再び主要通貨に対して下落となり、ドル/円は高値の134.17から133.64まで下落した。下げ一服後は、値を戻す動きが見られたものの、欧州市場まで上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、14日に発表された米消費者物価指数に続き、米生産者物価指数も市場予想を上回ったことを受けて、FRBによる金融引き締めの長期化観測が高まり、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、クリーブランド連銀総裁が「インフレの上振れリスクが拡大すれば利上げ幅の再拡大も」と発言したことも加わり、ドル/円は序盤の133.85から134.46まで上昇した。
(4)その後、米長期金利が低下したことからドル/円も133.69まで下落したが、セントルイス連銀総裁が「3月FOMCで0.50%の利上げを支持する可能性を排除しない」との発言を受けて米長期金利が再び上昇、米10年債利回りが3.870%まで上昇して昨年12月末以来の高水準となり、ドル/円も134円台まで値を戻した。
本日のトピックス
14日の米消費者物価指数、昨日の生産者物価指数がともに市場予想を上回ったことで、物価低下の流れが鈍化していることが示され、FRBの金融引き締めの長期化観測が意識された。また、米当局者が利上げ幅の拡大の可能性を示唆したこともあり、ドルは底固い動きが続く可能性も考えられる。
今週注目されていた米国の物価関連の経済指標の発表が終了したことで、マーケットの注目は来週のFOMCの議事要旨や米GDP改定値に移っている。特に、週末であることや、米国市場が3連休(月曜日はプレジデンツ・デーの祝日)を控えていることもあり、限定的な動きが予想されている。
本日は重要な経済指標の発表はないものの、引き続き米当局者の発言が予定されていることから、発言の内容に注目したい。