前営業日トピックス
東京市場では、前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、時間外取引の米長期金利が高水準を維持したことから、ドルは底固い動きとなり、対円では131.28から132.21まで上昇し、ドル/円の上昇にクロス円も連れ高となった。さらに、欧州時間では、欧州主要株価指数の上昇を受けて、リスク選好の動きからドル円・クロス円は一段の上昇となった。
米国市場では、米経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、欧米の主要株価指数が上昇したことなどもあり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。ただ、その後は米長期金利が低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の132.38から132.91まで上昇したが、終盤にかけて132.27まで下落した。
米株式市場では、1月の米消費者物価指数の発表を14日に控え、序盤から物価上昇率の縮小を期待した買いが優勢となった。さらに、米長期金利が低下したことや、SNS大手の新たな人員削減が計画されているとの報道もあり、ナスダックは上げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、終盤に前週末比380ドル高まで上昇した。引けにかけて高値圏を維持したまま、376.66ドル高(+1.11%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、173.67ポイント高(+1.48%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。前週末の海外市場で、2月の米ミシガン大学消費者信頼感指数で1年先の期待インフレ率が上昇したことを受けて、米10年債利回りが1/6以来の高水準まで上昇し、時間外取引でも高水準を維持していることや、14日発表の米消費者物価指数でも低下傾向がすぐには加速しないとの見方から、ドルは底固い動きとなった。ドル/円は、序盤の131.28から131.94まで上昇した。一方、ユーロは対ドルで1/9以来の安値を更新した。
(2)その後、下落して始まった日経平均株価が下げ幅を拡大して、前週末比404円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなったが、午後に入り下げ幅を縮小したこともあり、再び円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、131.65まで下押しした後は再び堅調な動きとなった。さらに、欧州時間では、欧州主要株価指数が軒並み序盤から堅調な動きとなったことから、リスク選好の動きからドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は132.76まで上昇した。
(3)米国市場では、アジア時間から上昇が続いた流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。米経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、欧州株の上昇を受けて米主要株価指数も上昇したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。ただ、その後はFRBによる利上げが早期に停止するとの見方が強まるとの観測から米長期金利が低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の132.38から132.91まで上昇したが、終盤にかけて132.27まで下落した。一方、アジア時間に対ドルで1/9以来の安値まで下落したユーロは持ち直した。
本日のトピックス
本日予定されている日銀正副総裁人事の提示を控え、神経質な展開も予想されている。ただ、総裁候補としては植田氏、また副総裁人事もすでに報道されており、織り込み済みであることから、反応は限定的との見方もある。そのため、次の注目は所信聴取と見られている。
また、米国市場では1月の消費者物価指数の発表が予定されており、昨晩ニューヨーク連銀の1月消費者期待調査で、3年先のインフレ率が2年3ヵ月ぶりの低水準となったことを受けて、インフレ鈍化への期待が高まっている。予想通りインフレ鈍化が示されれば、株式市場では好感されるが、利上げ鈍化懸念からドルには圧迫要因となる可能性も考えられる。
2/14の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
1月消費者物価指数(前年比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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6.2% | 6.5% |
前回は、市場予想と一致して前月から低下となり、2021年12月以来の低い伸びとなり、インフレの鈍化傾向が続いていることが示された。ただ、サービスは伸び幅が拡大しており、特に消費者物価指数の3分の1を占める住居費が11月から伸び幅拡大、家賃やホテルの宿泊費はともに上昇となったことが下支えたか。家賃などは遅行性があるが、別の指数(住宅賃貸市場)で見ると低下し始めていることから、家賃は低下すると見られており、消費者物価指数もさらに低下が見込まれている。 |