前営業日トピックス
東京市場では、米長期金利が低下したことや、日経平均株価が下落したことから、リスク回避の円買いが先行し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。また、中国の新型コロナウイルス感染拡大への懸念も加わり、クロス円も軟調な動きとなった。その後は、年末を控えて積極的な売買が手控えられ、限定的な動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想と一致したものの、前週から増加したことが嫌気され、ドルは主要通貨に対して下落した。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は序盤の133.66から132.88まで下落した。一方、ユーロは対ドルで堅調な動きとなり、一時12/15以来の高値を付けたものの、対円ではドル/円の下落に連れて上値の重い動きとなった。
米株式市場では、序盤に発表された米雇用関連の経済指標が前週から悪化したことを受けて、FRBが金融引き締めに積極的な姿勢を和らげるとの見方が広がり、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも支援材料となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比417ドル高まで上昇した。その後、終盤に上げ幅を縮小して345.09ドル高(+1.05%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、264.80ポイント高(+2.59%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、日経平均株価が下落し、一時前日比386円安まで下落したことや、時間外取引の米長期金利が低下したことから、ドル/円は序盤の134.40から133.50まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したものの、対円では軟調な動きとなった。
(2)下げ一服となり、午後に入るとドル/円は133.90まで値を戻したものの、再び上値の重い動きが続いた。その後も年末を控えて積極的な取引が手控えられており、限定的な動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想と一致したものの、失業保険継続受給者数とともに前週から増加となったことが嫌気され、ドルは主要通貨に対して下落した。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.884%から3.814%まで低下したことも加わり、ドル/円は序盤に付けた高値の133.66から132.88まで下落した。一方、ユーロは対ドルで堅調な動きとなり、一時12/15以来の高値を付けたものの、対円ではドル/円の下落に連れて上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
年末年始を控え、新規材料に乏しいことや、市場参加者が少ないことから限定的な動きが予想されている。ただ、株式市場や債券市場の利回りの動きに敏感に反応する可能性も考えられ、その場合には市場参加者が少ないことから、想定以上の動きとなる可能性もあることから、十分な注意も必要だろう。
本日の米国市場では、12月のシカゴ地区購買部協会景気指数の発表が予定されているが、予想の範囲内の結果なら反応は限定的と見られている。また、本日の米債券市場は短縮取引となる。
12/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:45 | 米国 |
12月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業部門の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。また、米ISM製造業景況指数の1営業日前に発表されることから、先行指標とされている。
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40.0 | 37.2 |
前回は市場予想を大幅に下回る低下となり、2020年5月以来の低水準となった。さらに、景気拡大・縮小の判断基準となる50を3ヵ月連続で下回り、製造業の景気後退が示されている。今回は、前回から上昇が予想されているが、依然として50を下回ると予想されている。 |