前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたこともあり、ドルは堅調な動きとなった。ただ、上昇一服後、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州市場では、欧州主要株価指数や、米長期金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された住宅関連の米経済指標が6ヵ月連続の低下となったことや、米長期金利が低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落した。しかし、下げ一服後は再び米長期金利が上昇に転じたことから、ドルも主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤に付けた133.59から133.18まで下落、その後は引けにかけて133.57まで値を戻した。
米株式市場では、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなったものの、中国のコロナ規制の緩和を受けて、経済の先行き懸念が後退するとの見方から買いが優勢となった。ただ、年末を控えて積極的な売買が手控えられたことや、米長期金利が上昇したことに押されて上値は限定的だった。特に、金利動向に敏感なナスダックはマイナス圏で推移した。ダウ平均株価は、序盤に前週末比134ドル安まで下落したものの、その後は上昇に転じて一時183ドル高まで上昇した。ただ、終盤にかけて上げ幅を縮小して37.63ドル高(+0.11%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、144.63ポイント安(-1.38%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ドル円・クロス円は前日の終値からギャップアップして始まった。ただ、序盤に164円高まで上昇した日経平均株価が49円高まで上げ幅を縮小したことや、時間外取引で米長期金利が低下したことを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。その後は、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたことや、上げ幅を縮小した日経平均株価が再び堅調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の安値の132.64から133.18まで上昇した。
(2)その後は再び上値の重い動きが続いたが、欧州時間に入り、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州時間の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から堅調な動きとなった。序盤に発表されたケース・シラー住宅価格指数が市場予想を上回ったものの、前年比で6ヵ月連続の低下となったことや、それまで上昇していた米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して下落した。ドル/円は、一時133.59まで上昇して12/20以来の高値を付けたものの、その後は133.18まで下落した。
(4)下げ一服後は再び米長期金利が上昇に転じ、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.858%まで上昇して11/15以来の高水準となったことから、ドルは再び主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、引けにかけて133.57まで値を戻した。
本日のトピックス
徐々に市場参加者が少なくなっていることや、年末年始を控えて積極的な売買が手控えられていることもあり、限定的な動きが続くと予想されている。本日の米国市場では、12月のリッチモンド連銀製造業指数、11月の米中古住宅販売仮契約の発表が予定されており、共に引き続き冴えない結果が予想されており、米景気の減速が示されると見られている。ただ、年末を控えて積極的な売買が手控えられていることもあり、反応は限定的との見方もある。
12/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
12月リッチモンド連銀製造業指数
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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-10 | -9 |
前回は市場予想を下回ったものの、前月からはマイナス幅が縮小した。ただ、2ヵ月連続のマイナスとなったことで、製造業の鈍化傾向が示された。今回は、前月からマイナス幅の拡大が予想されており、予想通りの結果なら10月に並び2020年5月以来の低水準となる。 | ||||
0:00 | 米国 |
11月中古住宅販売仮契約(前月比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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-1.0% | -4.6% |
前回は市場予想を上回り、2020年4月以来の低水準となった前月の結果からマイナス幅が縮小した。ただ、5ヵ月連続のマイナスとなり、過去1年間で11回目のマイナスとなり、住宅市場の減速が続いていることが示された。今回は、前月からマイナス幅の縮小が予想されているものの、住宅市場の減速が続くと見られている。 |