前営業日トピックス
先週末に発表された11月米生産者物価指数が市場予想を上回ったことで、13日に発表される米消費者物価指数でも上振れが期待されていることもあり、ドルは序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤の136.44から137.14まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したものの、下落して始まった日経平均株価が下げ幅を縮小したことから対円では底固い動きが続いた。ただ、欧州時間に入り、欧州主要株価指数が下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
米国市場では、序盤から米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は序盤から堅調な動きとなり、一時137.85まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したものの、対円ではドル/円の上昇に連れて堅調な動きとなった。
米株式市場では、前週末に下落したことで値頃感の買いが先行した。さらに、FRBが金融引き締めのペースを緩和するとの見方から景気後退への過度な懸念が和らぎ、主要株価指数は序盤から堅調な動きが続いた。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きが続き、前週末比528.58ドル高(+1.58%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、139.12ポイント高(+1.26%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して堅調な動きとなった。序盤に前週末比166円安まで下落した日経平均株価が下げ幅を縮小したことや、仲値公示にかけて実需のドル買いが観測されたこともあり、ドル/円は序盤の136.44から137.10まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円では上値の重い動きが続いた。
(2)仲値通過後は、時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して下落となり、対円では136.77まで下落した。ただ、その後は底固い動きとなり137.14まで上昇した。欧州時間では、序盤から欧州勢の円買いもあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.519%から3.626%まで上昇し、6営業日ぶりの高水準となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。また、米10年債の入札が不調だったことで債券売り(金利は上昇)となったことも影響、ドル/円は序盤の136.91から137.85まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したものの、ドル/円の上昇に連れて対円では堅調な動きとなった。
本日のトピックス
前日の米国市場では、FRBの金融引き締めの長期化観測から米長期金利が上昇となり、ドルは主要通貨に対して上昇した。東京時間では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、序盤から堅調な動きとなった。ただ、米国の消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードが強まる可能性も考えられる。
本日の米国市場では、11月の米消費者物価指数の発表が予定されており、結果が注目されている。先週末に発表された米生産者物価指数が市場予想を上回る結果となったことで、当該指標も上振れとなるとの見方もある。予想を上回る結果となる場合には、FRBの金融引き締めの長期化が意識され、ドルが買われる可能性もある。一方、市場予想を下回りインフレの鎮静化が示されれば、利上げペースの減速が進むとの見方からドルが売られる可能性もあり、結果が注目されている。
12/13の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
11月消費者物価指数(前年比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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7.3% | 7.7% |
前回は市場予想を下回り、4ヵ月連続の低下となった。エネルギーは4ヵ月ぶりのプラスとなったものの、サービス、食品・飲料、居住費が低下したことが影響した。この結果を受けて、FRBの利上げペースが鈍化するとの見方が広がった。今回は、さらに低下が予想されており、先に発表された生産者物価指数が予想以上の低下となったこともあり、低下期待も高まっており、予想通りの結果なら2021年12月以来の低水準となる。 |