前営業日トピックス
東京市場では、中国で新型コロナウイルスの感染者が再び増加したことを受けて、リスク回避の動きが先行し、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じてマイナス圏まで下落したことや、米長期金利が低下したことも圧迫要因となった。ただ、欧州時間に入ると米長期金利が上昇したこともあり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、クロス円もドル/円に連れ高となった。
米国市場では、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことに合わせ、ドル/円は141.32まで下落した。ただ、下げ一服後は、米長期金利が持ち直したことでドル買いが優勢となり、ドル/円は一時142.25まで上昇した。欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上値の重い動きとなったものの、対円ではドル/円の上昇に連れて堅調な動きとなった。
米株式市場では、FRBの金融引き締めが長期化するとの見方や、中国で新型コロナウイルスの感染拡大による世界的な景気減速懸念を背景に主要株価指数は軟調な動きとなった。ダウ平均株価は、序盤に前週末比118ドル高まで上昇したものの、その後は下げに転じて186ドル安まで下落した。下げ一服後は再び堅調な動きとなり、一時プラス圏を回復する場面もあったが上値は重く、45.41ドル安(-0.13%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、121.55ポイント安(-1.09%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)週明けの東京市場では、前週末の海外市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。中国で新型コロナウイルスの感染者数が増加したことを受けてリスク回避の動きも見られた。さらに、時間外取引で米長期金利が低下したことや、序盤から前週末比100円超上昇となった日経平均株価が下落に転じて53円安まで下落したことも影響した。
(2)午後には、米長期金利が下げ止まったことや、日経平均株価は再び上昇に転じたことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。欧州時間では、米長期金利の上昇が続いたことからドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円はアジア時間の安値140.15から142.05まで上昇した。一方、クロス円も堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、アジア時間から続いたドル高の流れが一服し、序盤からドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.836%から3.757%まで低下したことに合わせ、ドル/円は序盤の142.00から141.32まで下落した。ただ、下げ一服後は、再び米長期金利が持ち直したことや、資源国通貨に対してドルが買われたことでドル買いが優勢となり、ドル/円は一時142.25まで上昇した。欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上値の重い動きとなったものの、対円ではドル/円の上昇に連れて堅調な動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、米長期金利の上昇を受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。本日の海外時間でも主要な経済指標の発表がないことや、米国では感謝祭前であることや、ワールドカップサッカーが開幕したこともあり、特に欧州勢の市場参加者が少なくなる可能性も考えられる。その中で、引き続き米長期金利の動きや米当局者の発言内容には注目したい。
11/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
11月リッチモンド連銀製造業指数
リッチモンド連銀製造業指数は、米国の12連邦準備銀行の1つであるリッチモンド地区連銀が発表している製造業指数。1993年から算出が開始されており、NY連銀、フィラデルフィア連銀が発表する指数と合わせて製造業の景況を確認できる。管轄はウェストバージニア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州、バージニア州、メリーランド州、ワシントンDCなど。管轄地域は米国内生産の9.1%を占める。
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-8 | -10 |
前回は市場予想に反して低下となり、2020年5月以来の低水準となった。2ヵ月ぶりのマイナスとなったことで、製造業の鈍化傾向が続いていることが示された。今回は、前月に続いてマイナスが予想されており、予想通りの結果なら2ヵ月連続のマイナスとなり、6月以来の連続マイナスとなる。 |