前営業日トピックス
前日NY市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。しかし、上昇して始まった日経平均株価が上値の重い動きとなったことや、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。午後に入り、日経平均株価がマイナス圏まで下落したことから、上値の重い動きが続いた。欧州時間では、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったことや、米長期金利の上昇も加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、米当局者が追加利上げの必要性に言及したことを受けて、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇した。その後に発表された米経済指標が冴えない結果となったことから、ドルは一時下落する場面もあった。終盤にかけて再び堅調な動きとなり、ドル/円は序盤の安値139.76から140.42まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで下落したことから対円でも上値の重い動きとなった。
米株式市場では、米企業の好調な四半期決算を受けて主要株価指数は買いが先行した。しかし、FRB当局者のタカ派発言を受けて、FRBの積極的な金融引き締めが続き、米景気後退を招くとの警戒感から下落に転じ、一時マイナス圏まで下落する場面もあったが、終盤にプラス圏を回復して終了した。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、前日比281高まで上昇した。その後は下落に転じて一時5ドル安まで下落したものの、終盤にかけて再び堅調な動きとなり、199.37ドル高(+0.59%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、1.10ポイント高(+0.01%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日海外時間でセントルイス連銀総裁のタカ派発言を受けてドル買いとなった流れを引き継ぎ、序盤からドル買い・円売りが優勢となった。上昇一服後は、上値の重い動きとなり、時間外取引で米長期金利が低下したこともあり、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の高値140.50から139.65まで下落し、クロス円もドル/円の下落に連れ安となった。また、北朝鮮が米国本土を射程に入る大陸間弾道弾ミサイルを発射したことでリスク回避の円買いが入ったとの指摘もあった。
(2)午後に入り、日経平均株価がマイナス圏に下落したことからドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、欧州時間では欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことや、低下していた米長期金利が上昇に転じて上げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤にボストン連銀総裁が「インフレは高すぎる」とした上で、「追加利上げは必要」、「0.75%の利上げの可能性は依然としてある」との見方を示したことを受けて、米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して上昇した。ただ、その後に発表された米中古住宅販売件数、景気先行指数がともに冴えない結果となったことから、ドルは主要通貨に対して下落する場面もあった。
(4)下げ一服後は再び米長期金利が上げ幅を拡大したことから、ドル/円は序盤の安値139.76から140.42まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで下落したことから対円でも上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
先週末は、米当局者のタカ派発言を受けて米長期金利の上昇とともにドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、米経済指標が軒並み冴えない結果となったことから、米景気先行き不安もあり、ドルの上値は限定的となっている。このことから、今後の米経済指標の結果や米当局者の発言が注目される。
今週は、23日が日本の勤労感謝の日、24日が米国の感謝祭の祝日となり、市場参加者が少なくなることが予想されている。ただ、23日は米国の主要な経済指標の発表が集中していることから、海外市場の時間の動きには注目が集まっている。指標結果が冴えない結果となる場合には、ドルの下振れとなる可能性も考えられる。
本日の海外市場では、主要な経済指標の発表や米当局者の発言予定がないことから、限定的な動きが予想されているが、米株式市場や債券市場の金利動向には注目したい。