前営業日トピックス
東京市場では、米中間選挙の開票が始まり、結果を見極めたいとの思惑からポジション調整の動きも見られ、ドルは上値の重い動きとなった。その後は、実需のドル買いも観測されて堅調な動きとなる場面もあったが、米長期金利の低下とともにドル/円は軟調な動きとなり、クロス円も連れ安となった。午後に入り、ドル円・クロス円は再び堅調な動きとなったものの、上値は限定的だった。
米国市場では、主要な米経済指標の発表がない中、ドルは序盤から米長期金利の動きに左右される展開が続いた。終盤に米10年債入札が低調な結果となり利回りが上昇したことから、ドルも終盤にかけて堅調な動きとなる場面もあった。
米株式市場では、前日まで上昇が続いたことで利益確定売りが先行した。さらに、米中間選挙で共和党が大勝すると見られていたが、予想外の接戦となったことで企業業績や株価に逆風となるとの見方から失望売りも出て、主要株価指数は軒並み大幅下落となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きが続き、終盤に一時前日比681ドル安まで下落した。引けにかけて安値圏を維持したまま、646.89ドル安(-1.95%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、263.02ポイント安(-2.48%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。その後は、仲値公示にかけて実需のドル買い・円売りが観測され、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(2)仲値通過後は上値の重い動きとなり、さらに時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル/円は高値の145.86から145.18まで下落し、10/27以来の安値を更新した。米中間選挙で共和党が勝利してねじれ議会となるとの見方もドルの圧迫要因となった。一方、午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大して183円安まで下落したことを受けて、クロス円も上値の重い動きとなった。その後は低下した米長期金利が再び上昇したことを受けて、ドルは堅調な動きとなり、クロス円はドル/円の上昇に連れ高となった。
(3)米国市場では、米長期金利の上昇を受けてドルは序盤から主要通貨に対して上昇した。その後は、米長期金利の低下に合わせてドルも下落する場面もあったが、米10年債入札が低調な結果となり利回りが4.094%から4.172%まで上昇したことを受けて、ドルも堅調な動きとなった。ドル/円は、145.82から146.80まで上昇した。一方、ロシア国防相が一部地域からの撤退を命令したとの報道を受けて、ユーロ買いが優勢となる場面もあったが、一時的な上昇に留まり、その後は上値の重い動きとなった。引けにかけて10年債利回りが4.054%まで低下したことから、ドルは上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
米中間選挙では、下院で共和党が過半数を奪還したが、上院では接戦となっており、ジョージア州では12/6に決選投票が実施されることになっている。そのため不安定な動きが続く可能性も指摘されている。本日の米国時間では、10月の米消費者物価指数の発表が予定されており、今後のFRBの利上げペースを予想する上で結果が注目されている。市場予想では、前年比ベースで前月から低下が予想されているが、依然として高水準が維持されると見られており、インフレの抑制が進まない状況であることが改めて示されるのか注目されている。特に、コア指数の鈍化が見られない場合には、次回のFOMCで0.75%の利上げ期待が高まる可能性もあり、その場合にはドルの押し上げ要因となる可能性も考えられる。
11/10の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(11/5までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
|
22.0万件 | 21.7万件 |
前回は、市場予想を下回る結果となり、前週から小幅減少となった。景気減速懸念が広がりつつある中で、労働力需要が強いことが示された。今週は前週から小幅増加が予想されているが、コロナ感染拡大前の5年間の平均が24.4万件であることから、引き続き低水準が維持されると見られている。 | ||||
22:30 | 米国 |
10月消費者物価指数(前年比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
|
7.9% | 8.2% |
前回は市場予想を上回り、前月比やコア指数も市場予想と前月結果を上回る結果となった。依然としてインフレ圧力の強さが確認され、大幅利上げの正当性が示された。今回は、前回から低下が予想されているものの、前月ベースやコア指数もどこまで低下するのか注目されている。 |