前営業日トピックス
米紙記者が、FRBがターミナルレートを想定よりも引き上げる可能性を示唆したことを受けて、ドルは序盤から堅調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利が上昇したことも支援材料となり、ドル/円は148.28まで上昇した。一方、ドル/円の上昇に加え、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことから、クロス円も堅調な動きとなった。上昇一服後、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。ただ、欧州時間では米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇となった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことを受けて、米景気の先行き懸念が広がったものの、FOMCで0.75%の大幅利上げが決定されるとの思惑からドルは底固い動きとなった。一方、3日に英中銀が0.75%の利上げを決定すると予想されているものの、英首相と財務相が増税不可避との見解を示したとの報道を受けて、ポンドは主要通貨に対して下落した。
米株式市場では、翌日からのFOMCを控えて、FRBによる急激な利上げ継続が警戒されて主要株価指数は売りが優勢となった。さらに、FRBが見込む来年のターミナルレートを想定よりも引き上げる可能性があると報じられたことも圧迫要因となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、前週末比274ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小し、一時22ドル高まで上昇する場面もあったが、終盤まで上値の重い動きが続き128.85ドル安(-0.39%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、114.31ポイント安(-1.03%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、FRBがターミナルレートを想定よりも引き上げる可能性を指摘されたことが材料視され、米金利先高観からドル買いが先行した。さらに、時間外取引で米長期金利が上昇したこともドルの押し上げ要因となった。仲値公示にかけて月末絡みの実需のドル買いが観測されたことも加わり、ドル/円は序盤の147.56から148.29まで上昇した。一方、日経平均株価が序盤から400円超上昇したことを受けて、クロス円も堅調な動きとなった。
(2)仲値通過後は月末のドル買いも一服し、上昇していた米長期金利が低下したことも加わり、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、欧州時間に入ると米長期金利の低下が一服し、再び上昇に転じたことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、ドル/円の上昇にクロス円も連れ高となった。
(3)米国市場では、10月のシカゴ購買部協会景気指数が2020年6月以来の低水準となり、その後に発表されたダラス連銀製造業指数も6ヵ月連続のマイナスとなったことを受けて、米景気の先行き懸念が広がったものの、2日からのFOMCで引き続き0.75%の大幅利上げが決定されるとの思惑からドルは底固い動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことや、米主要株価指数が軟調な動きとなったことを受けて、対円でも上値の重い動きとなった。特に、3日に英中銀が0.75%の利上げを決定すると予想されているものの、英首相と財務相が増税不可避との見解を示したとの報道を受けて、ポンドは主要通貨に対して下落した。
本日のトピックス
"FRBが見込む来年のターミナルレートを想定よりも引き上げられる可能性があるとの報道に加え、11/1-2に開催されるFOMCで0.75%の利上げが決定されるとの見方からドルは堅調な動きとなり、ドル/円は先週27日の145.11から148.85まで上昇している。ただ、FOMCの結果発表を控えて様子見ムードが強まる可能性も考えられる。
本日の米国時間では、10月の米ISM製造業景況指数、9月の米JOLT求人件数の発表が予定されており、ともに前月からさらに悪化が予想されている。このところの米経済指標の冴えない結果が続いていることもあり、景気後退懸念が意識される可能性も考えられるが、本日から明日にかけてFOMCが開催され、4会合連続で0.75%の利上げを実施する公算となっていることから、利上げ期待を背景にドルは底固い動きが続く可能性も考えられる。 "
11/1の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
10月ISM製造業景況指数
ISM製造業景気指数は、全米供給管理協会(Institute for Supply Management=ISM)が発表する米国の製造業の景況感指数であり、製造業の購買・供給管理責任者に対するアンケートを集計した指数。50が景気の拡大・後退の判断基準であり、50を上回れば景気拡大、下回れば景気後退と判断する。
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50.0 | 50.9 |
前回は市場予想を下回り、2020年5月以来の低水準となった。仕入価格は51.7(前月52.5)と6ヵ月連続の低下、新規受注は47.1(51.3)と2020年5月以来の低水準、雇用も48.7(54.2)と6月以来の低水準となったことが影響した。今回は、さらに低下が予想されているが、景気の拡大・後退の判断基準の50を下回る場合には、ドルの圧迫要因となる可能性も考えられる。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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962.5万件 | 1005.3万件 |
前回は予想以上の大幅減少となり、2021年6月以来、1年2ヵ月ぶりの低水準となった。減少幅では2020年4月以来の大きさとなり、労働市場の逼迫緩和の兆しが示された。今回は、さらに減少が予想されており、予想通りの結果なら2021年6月以来の1000万件割れとなる。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ユーロ/ドルは、一目均衡表の雲上限近辺で上値を抑えられており、雲の低下とともに上値の重い動きが続いている。ここから雲上限を上抜けて一段の上昇となるのか、再び雲下限ラインを下抜けて軟調な動きとなるのか注目されている。
目先の動きを見る上で注目されているオシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小、さらに先行するラインが失速していることから、両線がクロスする場合には目先の軟調を示唆する形状となることから、ここからの両線の動きが注目される。
目先の下値のポイントは、一目均衡表の雲下限ラインの0.9838となり、ここを下抜ける場合には基準線の0.9814がポイントとなる。一方、上値のポイントは一目均衡表の雲上限の0.9829となり、ここを上抜ける場合には、直近高値の1.0093の上抜けを試す展開も考えられる。