前営業日トピックス
前日の海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米国の利上げ観測の後退と米国金利の低下を受けて、ドルは上値の重い動きが続き、ドル/円は一時145.11まで下落した。しかし、欧州時間では米長期金利が持ち直したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された第3四半期の米GDPが3四半期ぶりのプラス成長となったものの、同時刻に発表された耐久財受注のコア指数が約2年半ぶりの大幅なマイナスとなるなどまちまちの結果となったことで反応は限定的だった。ただ、米長期金利が低下したこともあり、ドル/円は145.66まで下落する場面があったものの、下げ一服後は米長期金利が持ち直したこともあり、底固い動きとなった。
米株式市場では、米企業の好調な四半期決算やGDPが3四半期ぶりのプラス成長となったことを受けて、米景気後退への懸念が和らぎ買いが優勢となった。ただ、ハイテク企業の冴えない決算発表が影響してナスダックは大幅続落となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比549ドル高まで上昇した。その後は上げ幅を縮小する動きが続き、終盤には154ドル高まで下げ幅を縮小する場面もあり、194.17ドル高(+0.61%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、178.31ポイント安(-1.63%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、序盤からドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円は146円台割れとなった。ただ、下げ一服後は、底固い動きとなり146.40まで値を戻した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも序盤は堅調な動きとなった。しかし、日経平均株価が下落して始まり、上値の重い動きが続いたことから、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。
(2)午後に入り、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続き、その後ドル/円が一時145.11まで下落して10/7以来の安値を付ける動きとなったことからクロス円も連れ安となった。欧州時間では、米長期金利が上昇したことから、ドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は146.94まで上昇した。序盤に発表された第3四半期の米GDPが3四半期ぶりのプラス成長となったものの、同時刻に発表された耐久財受注のコア指数が約2年半ぶりの大幅なマイナスとなったことから、マーケットの反応は限定的だった。ただ、米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.073%から3.896%まで低下したこともあり、ドル/円は序盤の高値146.94から145.66まで下落する動きとなった。一方、ECB理事会で0.75%の利上げを決定したものの、ラガルドECB総裁のハト派発言を受けてユーロはドルや円に対して軟調な動きが続いた。
(4)下げ一服後は底固い動きとなり、米7年債入札が冴えない結果となり、米長期金利が持ち直したこともあり、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、第3四半期GDPがプラス成長へ改善したものの、一部で第4四半期には利上げの影響などもあり、再び景気減速が示されるとの見方も出ており、反応は限定的だった。また、利上げペースの鈍化予想も出ていることから、ドル円・クロス円は上値の重い展開が予想されている。そのため、本日の黒田日銀総裁の会見での発言が注目されている。黒田総裁の発言内容に変化がなければ、再び円売りが強まる可能性も考えられる。
本日の米国市場では、ミシガン大学消費者信頼、中古住宅販売仮契約の発表が予定されており、インフレの鈍化から消費者マインドは改善しているものの、金利上昇が続いていることが影響して住宅市場の悪化が続くと予想されており、結果を受けたマーケットの反応に注目したい。
10/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
10月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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59.6 | 59.8 |
前回は市場予想を上回り、4月以来半年ぶりの高水準となった。4ヵ月連続の上昇となり、インフレが低下していることや、ガソリン価格が落ち着いていることから、消費者のセンチメントが改善していることが示された。今回は、小幅低下が予想されているが、第4四半期の景気が悪化するとの見方が一部であるものの、消費者のセンチメントが急速に悪化する傾向はみられないと予想されている。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月中古住宅販売仮契約(前月比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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-4.0% | -2.0% |
前回は市場予想を下回り、3ヵ月連続のマイナスとなった。住宅ローン金利が2008年以来の高水準となっていることが影響し、住宅市場の低迷が続いていることが示された。今回は前月からマイナス幅の拡大が予想されており、住宅市場の低迷が続くと見られている。 |