前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から底固い動きとなった。米長期金利の上昇を受けて、ドル/円は一時149.98まで上昇し、1990年8月以来、約32年ぶりの高値を更新した。ただ、円買い介入への警戒感が根強いこともあり、150円台の大台を前に上値の重い動きとなった。欧州時間に入り、ドル/円は150円台乗せとなったが、大台乗せで円買い介入への警戒感が一段と高まり、急速の下落する場面もあった。
米国市場では、米10年債利回りが2008年6月以来の高水準まで上昇したことに合わせてドル買いが優勢となり、ドル/円は一時150.28まで上昇し、1990年8月以来の高値を更新した。一方、欧州通貨や資源国通貨は序盤に対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きとなったが、終盤にかけて対ドルで下落したことから、対円でも軟調な動きとなった。
米株式市場では、大手企業の四半期決算が市場予想を上回ったことを好感して、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、FRBが大幅な利上げを継続するとの見方から米長期金利が上昇したことを受けて上げ幅を縮小する動きとなり、終盤には軒並みマイナス圏まで下落した。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比399ドル高まで上昇した。しかし、米長期金利の上昇とともに、下落に転じて前日比158ドル安まで下落したが、引けにかけて下げ幅を縮小して90.22ドル安(-0.30%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、65.67ポイント安(-0.61%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)海外市場の堅調な流れを引き継ぎ、ドルは序盤から堅調な動きとなった。仲値公示にかけて実需のドル買いも観測されたことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことを受けて、ドル/円は海外時間に付けた149.90を上抜けて149.96まで上昇したた。ただ、150円の大台を前に上値の重い動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上値の重い動きとなったことから、対円でも上値の重い動きとなった。
(2)午後に入り、ドルが主要通貨に対して下落したことから、対円でも上値の重い動きが続いた。その後、ドル/円は149.98まで上昇したものの、再び150円台の大台が意識されて失速した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。欧州時間の序盤に、ドル/円は32年ぶりの150円台乗せとなったものの、円買い介入への警戒感が強まり、大台乗せ後は急速な下落となり一時149.62まで下落した。下げ一服後は値を戻したものの、上値の重い動きが続いた。
(3)米国場では、序盤に発表された米新規失業保険申請件数が市場予想に反して減少し、労働市場が引き続きタイトであることが示された。これを受けて、FRBの積極的な利上げが継続するとの見方が強まり、米長期金利の上昇とともにドルは底固い動きとなった。ただ、その後に発表された米中古住宅販売件数が8ヵ月連続の減少となったことから、ドルは主要通貨に対して下落した。
(4)米債券市場で米2年債利回りが2007年8月以来、米10年債利回りが2008年6月以来の高水準をそれぞれ更新したことに合わせてドル買いが優勢となり、ドル/円は一時150.28まで上昇し、1990年8月以来の高値を更新した。一方、欧州通貨や資源国通貨は序盤に対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きとなったが、終盤にかけて対ドルで下落したことから、対円でも軟調な動きとなった。特に、英首相が辞任を表明したことを受けて、ポンドは主要通貨に対して上昇する場面もあった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、連日の高値更新となり、ドル/円は32年ぶりに150円台乗せとなった。円買い介入への警戒感が根強いものの、前回の介入時からドル/円は4円以上上昇しており、ここまでは円買い介入は実施されていないと見られている。この状況から、海外勢のドル買い・円売り意欲は高く、海外時間に高値を更新する展開が続いている。
本日の東京市場では、序盤からやや上値の重い動きが続いているが、海外時間に入り再び一段の上昇となるのか注目されている。本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、米国の金利の動向が注目される。