前営業日トピックス
東京市場では、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで下落したことから対円でも上値の重い動きとなった。ただ、日経平均株価が堅調な動きとなったこともあり、下値は限定的だった。その後は、米長期金利の上昇を受けてドル買い・円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数が約5ヵ月ぶりの低水準まで改善する結果となったことを受けて、ドルは底固い動きとなった。ただ、その後は米長期金利が低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落となった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇したことを受けて対円でも堅調な動きが続いた。
米株式市場では、新規失業保険申請件数が良好な結果となり、労働市場の改善が示されたことでFRBが積極的な金融引き締めを継続するとの見方が高まり、急激な利上げで米景気が後退するとの警戒感から売りが優勢となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比686ドル安まで下落した。終盤にかけて下げ幅を縮小し、458.13ドル安(-1.54%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、314.13ポイント安(-2.84%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場での軟調な動きが一服し、ドルは主要通貨に対して序盤から堅調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。ただ、日経平均株価が序盤から270円超上昇したこともあり、下値は限定的だった。
(2)その後、日経平均株価が47円高まで上げ幅を縮小したことから、クロス円は上値の重い動きとなる場面もあったが、午後に入り再び日経平均株価が上げ幅を拡大したことから底固い動きとなった。一方、時間外取引で米10年債利回りが序盤の3.729%から3.864%まで上昇したことから、ドルは主要通貨に対して上げ幅を拡大した。
(3)米国市場では、序盤に発表された米GDP確報値が予想通り2四半期連続のマイナス成長となったが、新規失業保険申請件数が約5ヵ月ぶりの低水準まで改善する結果となったことを受けて、ドルは底固い動きとなった。ただ、その後は米長期金利の指標となる米10年債利回りが3.836%から3.719%まで低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して下落となった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇したことを受けて対円でも堅調な動きが続いた。
(4)下げ一服後、米長期金利が持ち直したことから、ドルは対円で値を戻す動きも見られた。ただ、欧州通貨や資源国通貨に対して下落が続いたことから、対円でも上値は限定的だった。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、米長期金利の上昇とともにドル/円は堅調な動きが続き、一時144.80まで上昇したものの、145円台を前にして上値の重い動きとなった。さらに、ドルは対欧州通貨や資源国通貨に対して下落が続いたことも圧迫要因となった。引き続き、145円近辺では上値の重い動きが続く展開が予想される。
本日の米国市場では、9月ミシガン大学消費者信頼感指数、個人支出の発表が予定されており、前者は3ヵ月連続の上昇となっており、インフレ低下を受けて消費者マインドの改善傾向が続いているが、引き続き改善が示されるのか注目されている。後者は景気鈍化懸念もあり、小幅な伸びが続いており、引き続き慎重な姿勢が示されるのか注目されている。良好な結果となり、利上げ期待が高まる場合でも、ドル/円の上昇局面では円買い介入への警戒感が高まることも予想され、上値の重い動きが続くと見られている。
9/30の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月個人支出(前月比)
1ヶ月間に、耐久財(自動車や家電製品など)や、非耐久財(食品や衣料など)、サービス支出(外食・旅行など)において、実際に個人が消費支出した金額について集計した経済指標。
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0.2% | 0.1% |
7月の個人所得・支出統計では、個人所得・支出ともに市場予想を下回った。一方、消費支出(PCE)物価指数は前年比で40年5ヵ月ぶりの大きさとなった6月の結果から縮小した。また、コア指数も市場予想を下回り、2021年10月以来の低水準となり、高インフレによる影響が示され、また貯蓄率は2009年以来の低水準に留まった。今回は、小幅上昇が予想されているが、引き続き低調な伸びに留まると見られている。 | ||||
23:00 | 米国 |
9月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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59.5 | 59.5 |
前回の速報は、市場予想を下回ったものの3ヵ月連続の上昇となり、4月以来の高水準となった。5−10年先のインフレ期待が2021年7月以来、1年先のインフレ期待が2021年9月以来の低水準となったことで、消費者のマインドが改善したことが示された。今回の確報は、横ばいが予想されているが、食費や居住費など一部では物価高が加速していることもあり、次月以降改善が続くのか懐疑的との指摘もある。 |