前営業日トピックス
東京市場では、ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなった。その後、鈴木財務相や黒田日銀総裁らの円安牽制発言を受けて、円買い・ドル売りが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。特に、ドル/円は序盤の144.12から141.50まで大幅下落となった。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。低下していた米長期金利が再び上昇したことが下支え要因となった。ただ、新規材料に乏しいことや、週末ということもあり、上値は限定的だった。一方、対ドルで堅調な動きが続いていたユーロは、米国時間に入り下落に転じたこともあり、対円でも上値の重い動きとなった。
米株式市場では、FRBが大幅利上げを続けることによる景気後退懸念が根強いものの、引き続き下落が続いた反動から買いが先行した。さらに、米長期金利が低下たことも支援材料となった。ただ、その後は米長期金利が再び上昇に転じたことから上値の重い動きとなったものの、主要株価指数は3営業日続伸となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比453ドル高まで上昇した。引けにかけてやや上げ幅を縮小したが、377.19ドル高(+1.19%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、250.18ポイント高(+2.11%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)ドルは序盤から主要通貨に対して軟調な動きとなったものの、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことから、対円でも堅調な動きとなった。その後、前日の三者会談に続き、鈴木財務相が「急速な為替変動は好ましくない」、「過度な変動に憂慮している」としたことや、黒田日銀総裁が「急激な為替変動は好ましくない」との見方を示したことを受けて円買い・ドル売りが優勢となり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)欧州時間では下げ一服となり、ドル円・クロス円は上昇に転じた。米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。アジア時間からの軟調な動きが一服しており、低下していた米長期金利が再び上昇したことが影響した。ただ、新規材料に乏しいことや、週末ということもあり、上値は限定的だった。一方、欧州時間序盤まで対ドルで堅調な動きが続いていたユーロは、米国時間に入り下落に転じたことから、対円でも上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
先週末に日本の財務相や日銀総裁の円安牽制発言もあり、ドルは上値の重い動きとなっているが、依然としてFRBの大幅利上げ観測も根強く、口先介入の効果も限定的と考えられる。日米金利差の拡大観測から円売り・ドル買いが続き、ドル/円は再び堅調な動きが予想されている。
本日の海外市場では、主要な経済指標の発表がないことや、翌日に米消費者物価指数の発表が予定されていることから、様子見ムードから限定的な動きも予想されている。ただ、依然として高い伸びが予想されていることから、大幅利上げ継続の正当性が示されるとの見方もあり、ドルは上昇が続くとの見方が優勢となっている。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、高値を更新した後はやや上値の重い動きが続いているものの、一目均衡表の転換線近辺でサポートされている。
オシレーターのMACDでは、両線の乖離幅が縮小しており、先行するラインが失速している。ここから乖離幅の縮小が続き、先行するラインが下向きに転換、さらに両線がクロスする場合には目先の軟調な動きを示唆する形状となる。
下値のポイントは、一目均衡表の転換線の141.629であり、ここを下抜ける場合にはトレンドラインや、サポートとなる139.395を目指す可能性も考えられる。一方、底固い動きが続き、直近高値の144.985を上抜ける場合には一段の上昇が考えられる。