前営業日トピックス
東京市場では、時間外取引での米金利上昇を受けて、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、日米金利差の拡大を背景にドル/円は139.68まで上昇し、約24年ぶりの高値となった。一方、来週のECB理事会で大幅利上げ期待が高まっていることから、ユーロも日本との金利差拡大が意識され、円に対して上昇して7/25以来の140円台を回復した。ただ、上昇一服後は、日経平均株価が大幅下落となったことや、欧州主要株価指数も下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み市場予想より改善したことを好感して、米長期金利の上昇と共にドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。日米金利差拡大が意識され、ドル/円は一時140.23まで上昇し、1998年8月以来約24ぶりの高値を付けた。一方、ユーロは対ドルで再びパリティ割れとなったものの、対円では底固い動きとなった。
米株式市場では、FRBによる金融引き締め長期化観測が強まり、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。その後は、連日の下落を受けた値頃感の買い戻しに下支えられ、さらに米雇用統計を控えたポジション調整の買いが入ったことも加わり、米主要株価指数は5営業日ぶりに反発となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、前日比290ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小し、終盤には一時167ドル高まで上昇した。引けにかけてやや上げ幅を縮小したものの、145.99ドル高(+0.46%)で終了した。一方、金利動向に敏感なナスダックは31.07ポイント安(-0.26%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の堅調な流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。9月のFOMCで大幅利上げが継続されるとの期待感を背景に、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなり、時間外取引で米長期金利が上昇して6月下旬以来2ヵ月半ぶりの高水準を更新したことから、ドル/円は一時7/14の高値139.40を上抜けて139.68まで上昇し、1998年9月以来の高値を更新した。また、対ドルで下落したものの、来週のECB理事会で0.75%の利上げ期待の高まっていることから、ユーロも対円で堅調な動きとなり、7/25以来の140円台を回復した。
(2)上昇一服後は、米長期金利が低下したことや、日経平均株価が下げ幅を拡大して前日比500円超下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間でも主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された新規失業保険申請件数、非農業部門労働生産性、ISM製造業景況指数が軒並み市場予想より改善したことを好感して、米長期金利の上昇と共にドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。米長期金利の指標となる10年債利回りが一時3.293%まで上昇し、6月下旬以来約2ヵ月半ぶりの高水準となり、また政策金利の動向に敏感な2年債利回りは一時3.55%まで上昇して2007年11月以来の高水準となったことから、ドル/円は一時140.23まで上昇して1998年8月以来約24年ぶりの高値を付けた。一方、ユーロは対ドルで下落して再びパリティ割れとなったものの、来週のECB理事会で0.75%の利上げ期待も高まっていることもあり、日本との金利差がさらに拡大するとの思惑から、対円で底固い動きとなった。
本日のトピックス
前日の海外市場では、米経済指標が良好な結果となったことで、9月のFOMCで大幅利上げが決定されるとの観測が強まり、米長短金利の上昇と共にドル/円は140.23まで上昇して1998年8月以来の高値を更新した。
本日の東京市場では、前日の海外市場の高値を上抜けて140.27まで上昇して約24年ぶりの高値を更新したものの、その後は140円台を割り込むなど上値の重い動きとなっている。ここからは、140円台を維持できるのかどうかが注目されている。
本日の米国市場では、米雇用統計の発表が予想されているが、雇用者数の伸び幅が大きく減少しなければ、9月のFOMCでの大幅利上げ期待が後退するとは考え難く、予想の範囲内の結果なら引き続きドルは底固い動きが続く可能性が考えられる。
9/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
8月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
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29.8万人 | 52.8万人 |
前回は市場予想を大幅に上回る結果となり、失業率や賃金も改善したことで、リセッション懸念が和らいだとの見方が広がり、積極的な利上げが続くとの見方が広がった。今回は、伸び幅の縮小が予想されており、人材不足となるセクターがある一方で、レイオフや採用を見送るセクターもあり、積極的な利上げが続いた影響が出るとの見方もある。 |