前営業日トピックス
東京市場では、海外市場の流れを受けて、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに日経平均株価が序盤から大幅下落となり、一時370円超下落したことも圧迫要因となった。午後に入り、一段の下落となったものの、低下した米長期金利が持ち直したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、欧州の景気減速懸念も根強く、ユーロはドルや円に対して軟調な動きとなった。
米国市場では、米長期金利が低下したことを受けて、序盤からドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ユーロはドルや円に対して下落が続き、対円では一時5/31以来、対ドルでは2002年12月以来の安値となった。その後に発表された米経済指標が軒並み市場予想を上回る結果となったことが好感され、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は136.01まで上昇した。FOMCの議事要旨では、インフレの対処を優先することが示されたことで、米長期金利が一段の上昇となったことから、ドルは主要通貨に対して底固い動きが続いた。
米株式市場では、FRBの急速な金融引き締めを背景に、米景気後退懸念が高まっていることから、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。しかし、FOMCの議事要旨が予想ほどタカ派的でないとの見方から、利上げへの過度な警戒感が和らぎ、主要株価指数は終盤にプラス圏を回復した。ダウ平均株価は、上昇して始まったものの、その後は下落に転じて前日比172ドル安まで下落した。ただ、終盤には再びプラス圏を回復して一時256ドル高まで上昇したが、引けにかけて上げ幅を縮小して69.86ドル高(+0.23%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、39.61ポイント高(0.35%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、欧米の景気鈍化懸念を背景に、リスク回避の動きが強まった流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。さらに、前日の海外市場の株安を背景に日経平均株価が下落して始まり、一時前日比372円安まで下落したことも圧迫要因となった。ドル/円は、海外時間に付けた安値の135.53を下抜けて135.13まで下落した。
(2)下げ一服後は、底固い動きとなったものの、米長期金利の指標となる米10年債利回りが時間外取引で低下したことから、ドルは一段の下げとなり、135.03まで下げる動きとなった。しかし、10年債利回りが急速に回復したことから、ドル/円は再び135.69まで上昇し、ドル/円の上昇に連れてクロス円も底固い動きとなった。一方、欧州の景気減速懸念が根強いことから、ユーロはドルや円に対して軟調な動きが続いた。
(3)米国市場では、直前の欧州市場で米長期金利が低下したことを受けて、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなり、ドル/円は一時134.96まで下落した。一方、ユーロはドルや円に対して下落が続き、対円では一時5/31以来、対ドルでは2002年12月以来の安値となった。その後に発表された6月の米サービス業PMI、ISM非製造業景況指数が市場予想を上回る結果となったことが好感され、ドルは主要通貨に対して底固い動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが上昇したことから、ドル/円は136.01まで上昇した。
(4)上昇一服後は、上値の重い動きとなったものの、FOMCの議事要旨でインフレの対処を優先することが示されたことで金利先高観が広がり、米10年債利回りがさらに上げ幅を拡大、序盤の2.743%から2.931%まで上昇したことから、ドルは主要通貨に対して底固い動きが続いた。
本日のトピックス
FRBがインフレ抑制を最優先するとの意向を示したことで金利先高観が高まり、米長期金利の上昇と共に、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。一方、欧州の景気減速懸念を背景にユーロ売りが強まっており、利上げの可能性があるものの、利上げを先送りするとの見方も出ており、対ドルでは約20年ぶりの安値まで下落している。マーケットでは、ユーロは対ドルでパリティ(等価)まで下落すると予想する向きも多くなっており、ユーロの下落が続くのか注目されている。一方、英国政権の閣僚辞任や解任を受けて、政局不安が高まっていることから、ポンドもドルや円に対して軟調な動きが続いている。
本日の米国市場では、新規失業保険申請件数、貿易収支の発表が予定されており、ともに前回から改善が予想されている。その中で、雇用統計を控えてISMの雇用指数が悪化したことから、新規失業保険申請件数の結果を受けたマーケットの反応に注目したい。
7/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(7/2までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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23.0万件 | 23.1万件 |
前回は市場予想を上回ったものの、前週の結果から小幅減少となった。依然として5ヵ月半ぶりの高水準が維持され、労働市場の改善が鈍化傾向であることが示された。今回は、小幅減少が予想されているが、大幅な改善や悪化にはなり難いとの見方もあり、引き続き小幅な増減が続くと見られています。 | ||||
21:30 | 米国 |
5月貿易収支
貿易収支は、米国から輸出された金額と米国へ輸入された金額の差額。米国では、輸出、輸入ともモノだけではなくサービス(運賃や保険、観光など)も含まれる。
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-849億USD | -871億USD |
前回は予想以上の赤字額の縮小となり、過去最大の赤字となった3月の結果からは改善した。中国でロックダウンとなった影響で中国からの輸入が減少したことが影響した。また、対中赤字は7年ぶりの大幅減少となった。今回も引き続き影響が残ると見られており、赤字額の縮小が予想されている。 |