前営業日トピックス
東京市場では、前日の米国市場が休場だったことから新規材料に乏しく、序盤から小動きの展開となった。しかし、時間外取引で米長期金利が上昇したことや、日経平均株価が上昇して始まったことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。午後には、日経平均株価が上げ幅を拡大し、一時前日比647円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、米長期金利や日経平均が上げ幅を縮小したことから、上値の重い動きとなった。欧州市場では、欧州主要株価指数が上昇したことや、米株価先物が上昇したことから、投資家のリスク選好の動きが強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、5月の米中古住宅販売件数が約2年ぶりの低水準となったこともドルの圧迫要因となった。しかし、日本と欧米など主要国との金融政策の方向性の違いを意識した円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は一時136.68まで上昇し、1998年10月以来約24年ぶりの高値を更新した。一方、欧州通貨や資源国通貨も対円で堅調な動きが続き、ECBの利上げ期待が高まっていることもあり、ユーロ/円は6/9以来の高値を更新した。
米株式市場では、先週末までダウ平均の下落が続いたことで、値頃感の買い戻しが先行した。さらに、FRBの金融引き締め加速に伴う米景気減速への過度な懸念が和らいだとの見方も支援材料となり、主要株価指数は大幅高となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比765ドル高まで上昇した。終盤に上げ幅を縮小したものの、641.47ドル高(+2.15%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、270.95ポイント高(+2.51%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の米国市場が休場だったことから新規材料に乏しいものの、依然として主要国中銀と日銀の金融政策の違いを背景に、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から上昇し、一時前日比450円超上昇したことも、ドル円・クロス円の押し上げ要因となった。しかし、日本政府や日銀による円安牽制への警戒感も根強く、ドル/円は上値の重い動きとなった。一方、ECBの利上げ期待が高まっていることを受けて、ユーロは主要通貨に対して底固い動きとなり、ユーロ/円前日高値を上抜けて、6/10以来の高値を更新した。
(2)円売りが一服したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。午後に入り、日経平均株価が上げ幅を拡大し、前日比647円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。オーストラリア中銀総裁は、講演後の質疑応答で利上げ幅について前回と同じ議論をする方針を示したことで、7月の政策決定会合で0.25%か0.50%の利上げが議論されるとの見方が広がり、一部で期待されていた0.75%の利上げ観測が後退したとの見方から、豪ドルは上値の重い動きとなった。さらに、日経平均株価が高値から上げ幅を180円超縮小したことや、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。
(3)日本と欧米など主要国との金融政策の方向性の違いを意識した円売りが優勢となった。さらに、欧州主要株価指数や米株価先物の上昇も加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。特に、スロバキア中銀総裁が7月、9月の利上げを予想と発言するなど、タカ派発言が相次いだことを受けてユーロは主要通貨に対して上昇した。
(4)米国市場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、5月の米中古住宅販売件数が4ヵ月連続の減少で2020年6月以来1年11ヵ月ぶりの低水準となったこともドルの圧迫要因となった。しかし、日本と欧米など主要国との金融政策の方向性の違いを意識した円売りが再び優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、リッチモンド連銀総裁が0.50%や0.75%の利上げの公算が大きいと発言したFRB議長のガイダンスはかなり理にかなっているとの見方を示したことを受けて、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は6/15に付けた高値135.60を大幅に上回る136.68まで上昇し、1998年10月以来約24年ぶりの高値を更新した。一方、欧州通貨や資源国通貨も対円で堅調な動きが続き、ユーロ/円は6/9以来の高値を更新した。
本日のトピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、海外時間の高値136.68を上抜けて136.70まで上昇し、1998年10月以来約24年ぶりの高値を更新した。日本と欧米など主要国との金融政策の方向性の違いを意識した円売りが先行したが、急速な円安に対する日銀の牽制に対する警戒感も根強く、上昇一服後は利益確定の動きなども観測されて上値の重い動きとなった。ここから、調整後に再び上昇となるのか注目されている。
本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、引き続き金融政策の違いを意識した動きも予想されている。ただ、パウエルFRB議長の上院銀行委員会での議会証言が予定されており、金融政策に関する具体的な発言があれば、マーケットは敏感に反応する可能性も考えられることから、発言の内容に注目したい。