前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、米長期金利の上昇を背景に一時133.00円まで上昇し、2002年4月以来20年2ヵ月ぶりの高値を更新した。一方、オーストラリア中銀が0.50%の利上げを発表したことを受けて、豪ドルは主要通貨に対して上昇した。豪ドル/円は、一時96.13まで上昇し、2015年6月以来の高値を更新したが、上昇一服後は利益確定の売りが優勢となり、反落となった。
米国市場では、序盤から米長期金利が低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ドル/円の下落、米主要株価指数の下落を受けて、欧州通貨や資源国通貨も序盤から対円で軟調な動きとなった。その後、ドルは上値の重い動きが続いたものの、欧州通貨や資源国通貨は、米主要株価指数が上昇に転じて上げ幅を拡大したことから、対円で終盤にかけて堅調な動きが続いた。
米株式市場では、米小売り大手の収益見通しが下方修正されたことを受けて売りが先行した。ただ、その後は米長期金利の低下が続いたことから買いが優勢となり、主要株価指数は続伸となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比273ドル安まで下落した。その後は上昇に転じ、終盤にかけて上げ幅を拡大し、264.36ドル高(+0.80%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、113.86ポイント高(+0.94%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを受けて、ドル/円は前日の海外市場の高値132.01を上抜けて132.75まで上昇した。一方、ドル/円の上昇に加え、序盤にマイナス圏に沈んだ日経平均株価が上昇に転じたことから、クロス円も堅調な動きとなった。
(2)上昇一服後は上値の重い動きとなったものの、午後に入り米10年債利回りが3.062%まで上昇し、5/6以来の高水準となったことから、ドルは一段の上昇となった。ドル/円は、一時133.00まで上昇し、2002年4月以来の高値を更新した。一方、オーストラリア中銀は、政策金利のオフィシャルキャッシュレートを0.50%引き上げ、利上げ幅が市場予想を上回ったことを受けて、豪ドルは主要通貨に対して上昇した。豪ドル/円は、一時96.13まで上昇し、2015年6月以来の高値を更新した。
(3)米国市場では、米長期金利の指標となる米10年債利回りが序盤の3.031%から2.955%まで低下したことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、ドル/円の下落や、ダウ平均株価が序盤から270ドル超下落するなど、米主要株価指数の下落が影響して欧州通貨や資源国通貨も序盤から対円で軟調な動きとなった。
(4)下げ一服後は底固い動きとなったものの、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落したことから、対円でも上値の重い動きが続いたも。一方、欧州通貨や資源国通貨は、対ドルで上昇が続いたことや、米主要株価指数が上昇に転じて上げ幅を拡大したことから、対円でも終盤にかけて堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
前日の東京市場では、ドル/円が一時133.00まで上昇して2002年4月以来の高値を更新したが、海外時間では上値の重い動きが続いた。今週末に発表される米消費者物価指数の結果が注目されており、結果次第で目先のドルの方向性が決まる可能性もあり、それまでは金利動向などを眺めながら神経質な展開が予想されている。
本日の欧州市場では、4月のドイツの鉱工業生産、第1四半期のユーロ圏のGDPの発表が予定されており、結果が注目されている。ただ、後者は確報値の発表なので、速報値から修正があれば影響が出る可能性もあるが、修正がなければ、限定的な反応に留まると見られている。さらに、9日にECB理事会とECB総裁の発言が予定されており、注目度が大きいことも影響すると見られている。一方、米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、限定的な動きが予想されている。しかし、金融政策に関する思惑から米長期金利に動きが出る場合には、影響を受ける可能性もあり、金利動向には注目したい。