前営業日トピックス
東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなったが、上昇一服後は上値の重い動きとなった。しかし、中国人民銀行が住宅ローンなどの基準となる金利を引き下げたことから、中国経済の回復期待が高まり、アジア株全般のほか欧州主要株価指数も上昇したことから、投資家のリスク選好の動きからドル円・クロス円も堅調な動きとなった。
米国市場では、ドル/円が序盤に一時128.25まで上昇した。しかし、上昇一服後は、米長期金利が低下したことから、ドル/円は127.59まで下落した。一方、クロス円はドル/円の下落や、上昇して始まった米主要株価指数が軒並み下落に転じたことを受けて軟調な動きとなった。ただ、終盤にかけて米主要株価指数が下げ幅を縮小したことから、ドル円・クロス円も値を戻す動きとなった。
米株式市場では、主要株価指数が上昇して始まったものの、FRBの急速な金融引き締めが景気後退につながるとの懸念を背景に下落に転じて下げ幅を拡大した。ただ、値頃感の買い戻しや、週末のポジション調整などから下げ幅を縮小し、ダウとS&Pはプラス圏まで回復して終了した。ダウ平均株価は、上昇して始まり前日比262ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて一時617ドル安まで下落した。しかし、終盤にかけて買い戻しが優勢となり、8.77ドル高(+0.03%)まで戻して終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは33.88ポイント安(-0.30%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、序盤からドル円・クロス円は小動きの展開となった。序盤に発表された4月の日本の全国消費者物価指数が概ね予想通りの結果となり、マーケットの反応は限定的だった。その後、ドル円・クロス円は堅調な動きとなり、ドル/円は128.21まで上昇した。しかし、上昇一服後は時間外取引で米長期金利が低下したことから、ドル/円は127.53円まで下落し、クロス円も連れ安となった。
(2)人民銀行が金利を引き下げたことを受けて、中国の景気回復への期待が高まったことから、アジア株全般が上昇となり、さらに欧州主要株価指数も上昇したことで、投資家のリスク選好の動きが強まり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、序盤に付けた128.21を上抜けて128.30まで上昇したが、上昇一服後は上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤からドル買いが先行し、対円では一時128.25まで上昇した。ただ、欧州時間に付けた高値の128.30には届かなかった。上昇一服後は、米長期金利の指標となる米10年債利回りが2.876%から2.772%まで低下したことから、ドル/円は127.59まで下落した。一方、クロス円はドル/円の下落や、上昇して始まった米主要株価指数が軒並み下落に転じたことを受けて軟調な動きとなった。ただ、下落一服後は、米主要株価指数が下げ幅を縮小して、ダウ平均とS&P500がプラス圏まで回復する動きとなったことから、ドル円・クロス円は終盤にかけて 値を戻す動きとなった。
本日のトピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から上昇となり、先週末から上昇が続いており、株価の下げ止まりが見られている。一方、米国の株式市場では、先週末に安値から大幅に値を戻して終了していることから、本日の動きが注目されている。
本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しいことから、株価が堅調な動きとなれば、ドル円・クロス円も底固い動きとなる可能性も考えられる。ただ、米長期金利に目立った動きが出るようなら、ドル/円はそちらの動きに左右される可能性も考えられる。そのため、引き続き米長期金利の動きには注目したい。
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、高値から上値の重い動きが続いており、ここから一段の下げとなるのか、再び堅調な動きとなるのか注目されている。
現状では、一目均衡表の基準線を下回っており、明日には基準線と転換線がクロスとなる。これに、遅行スパンが価格帯を下抜け、さらに雲を下抜ける場合には一目均衡表の三役逆転の弱気シグナルとなるため、ここから三役逆転を形成する展開となるのか注目される。
目先は、下値のポイントとなる127.025を下抜けるのか注目され、ここを下抜けてさらに126.926を下回る場合には、相場の方向性を示すとされる一目均衡表の基準線が3ヵ月半ぶりに下向きに転換することから、目先の動きに注目したい。