前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が下落して始まったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して上昇となり、ドル/円の上昇に連れてクロス円も堅調な動きとなった。その後、一時プラス圏まで回復した日経平均株価が再び下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、欧州時間に入ると円売りが加速したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米国市場では、米消費者物価指数の発表を翌日に控え、インフレ高進への思惑を背景に、米長期金利が上昇したことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、一時125.77まで上昇し、2015年6月以来の高値となった。一方、ユーロやポンドは対ドルで下落したものの、対円ではドル/円の上昇に連れ高となった。その後は上昇一服となり、米主要株価指数が軒並み下げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル円・クロス円は終盤まで上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、中国・上海のロックダウン継続の影響で、中国経済が減速するとの警戒感から主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、12日に米消費者物価指数の発表を控えてインフレへの警戒感が強まり、米長期金利が上昇したことも圧迫要因となった。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きが続き、終盤に一時前日比448ドル安まで下落した。安値圏を維持したまま、413.04ドル安(-1.19%)で終了。一方、ナスダックは金利上昇が影響して下げ幅を拡大し、299.04ポイント安(-2.18%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が序盤から200円超下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、時間外取引で米10年債利回りが2.705%から2.774%まで上昇し、2019年1月以来の高水準となったことを受けて、ドルは主要通貨に対して上昇となり、対円では日米金利差拡大が意識され、一時125.00まで上昇した。一方、ユーロやポンドは対ドルで下落したものの、ドル/円の上昇に連れてクロス円も堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価がプラス圏まで回復する動きとなったことも押し上げに寄与した。
(2)上昇一服後は、日経平均株価が再び下落に転じて265円安まで下落したことから、円買い戻しの動きも見られ、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、米10年債利回りが高水準に留まっていたことからドルの下値は限定的となり、欧州時間に入ると円売りの加速とともに、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、12日に米消費者物価指数の発表を控えてインフレ高進への思惑が強まり、米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時2.79%台まで上昇して2019年1月以来、約3年3ヵ月ぶりの高水準となったことを受けて、ドルは序盤から主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、一時125.77まで上昇し、2015年6月に付けた125.86以来の高値となった。一方、ユーロやポンドは対ドルで下落したものの、対円ではドル/円の上昇に連れ高となった。ただ、上昇一服後は、米主要株価指数が軒並み下げ幅を拡大する動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は終盤まで上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
本日の欧州時間では、英国の雇用統計、ドイツの消費者物価指数、またドイツとユーロ圏のZEW景況感調査の発表が予定されている。冴えない結果となる場合には、ドルに対して下落する可能性も考えられる。ただ、対円では日米金利差拡大観測からドル/円が堅調な動きとなっていることに連れてユーロ/円やポンド/円も堅調な動きが続いており、引き続き底固い動きが予想されている。
米国市場では、3月の米消費者物価指数の発表が予定されており、ロシアのウクライナ侵攻の影響でさらに物価が上昇していることが示されると見られている。結果を受けて、FRBによる大幅利上げへの期待感が高まれば米長短金利が上昇となり、これを受けてドルも上昇する可能性が考えられることから、指標結果と金利の動向に注目したい。
4/12の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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21:30 | 米国 |
3月消費者物価指数(前年比)
消費者物価指数(CPI = Consumer Price Index)は、消費者を対象とした小売やサービスの価格動向を示した指数である。特に、食品とエネルギーを除いたコア指数が重要視されている。そして、米国の金融政策を決定する上で重要な経済指標であり、為替市場への影響も非常に大きい。
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8.4% | 7.9% |
前回は市場予想と一致し、前月からさらに伸び幅が拡大し、1982年1月以来約40年ぶりの高い伸び率となった。エネルギー、食品住宅関連の価格上昇が影響したと見られている。今回は、さらに上昇が予想されており、ロシアのウクライナ侵攻が影響しており、今後も上昇が懸念されている。 |