前営業日トピックス
東京時間では、日経平均株価が前週末比300円超下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。しかし、日銀による10年債を対象とした指し値オペの通告を受けて、円売りが優勢となった。さらに、午後に2回目の指し値オペを通告したことや、時間外取引で米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。また、欧州時間に入り、欧州主要株価指数が上昇したことも加わり、ドル/円は一時125.09まで上昇し、2015年8月以来の125円台回復となった。しかし、その後は上昇一服となり、ドル円クロス円は下落に転じた。
米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。米長期金利が低下したことや、米主要株価指数が序盤から下落したことも影響した。その後、米長期金利が持ち直したことや、米主要株価指数が上昇に転じてプラス圏を回復したことから、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
米株式市場では、最近の株価上昇を受けて、主要株価指数は序盤から利益確定売りが先行して序盤から上値の重い動きとなった。ただ、下げ一服後は再び上昇となり、主要株価指数は終盤にプラス圏を回復した。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前週末比309ドル安まで下落した。その後は買いが優勢となり、終盤にプラス圏まで戻して94.65ドル高(+0.27%)で修正した。一方、金利動向に敏感なナスダックは、米長期金利が低下したことが下支え要因となり、上げ幅を拡大して185.60ポイント高(+1.31%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前週末の海外市場の堅調な動きが一服し、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から下落となり、一時前週末比337円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。その後、日銀が10年物国債を対象に無制限に買いを入れる「指し値オペ」を通知したことを受けて、日銀が金融緩和姿勢を維持するとの思惑が広がり、円売りが優勢となった。ドル/円は123.08まで上昇した。
(2)その後、日経平均株価が下げ幅を縮小する動きとなったことに加え、日銀が2度目の「指し値オペ」を通知したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが2019年5月以来の高水準まで上昇したことも加わり、ドル/円は一時125.09まで上昇して2015年8月以来の125円台を回復した。一方、ユーロ/円は2015年8月以来、ポンド/円は2016年2月以来、豪ドル/円は2015年6月以来の高値をそれぞれ更新した。ただ、上昇一服後は上値の重い動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。米国の主要な経済指標の発表がなく、米主要株価指数が序盤から上値の重い動きとなったことや、米長期金利が低下したこともことも加わり、ドル円・クロス円は一段の下落となった。
(4)米長期金利が持ち直したことや、米主要株価指数が上昇に転じてプラス圏を回復したことから、ドル円・クロス円は終盤にかけて底固い動きが続いた。特に、ウクライナとロシアの停戦協議は29日に予定されており、停戦に向けた進展対もあり、ユーロはルや円に対して堅調な動きとなり、対ドルでは欧州時間に付けた高値を上回り、この日の高値を更新した。
本日のトピックス
昨日の欧州時間にドル/円は一時125円台を回復したものの、その後は上値の重い動きが続いており、東京時間に入っても上値の重い動きが続いている。ここから再び堅調な動きとなるのか、調整が続くのか注目されている。マーケットでは、米国の利上げ期待の高まりを背景に、日米の金利差拡大が意識されてドル買い・円売りが続いているが、週末に米国の雇用統計を控えていることから、雇用統計の結果にも注目が集まっている。
本日の米国市場では、3月の米消費者信頼感指数、2月の米JOLT求人件数の発表が予定されている。米消費者信頼感指数は、消費者が先行きに不安を抱いていることが示されており、改善が見られるのか注目されている。一方、JOLT求人件数では、求人件数が過去最高水準にあり、引き続き企業側が人材確保に苦労していることが示される結果が続くのか注目されている。
3/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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23:00 | 米国 |
3月消費者信頼感指数
消費者信頼感指数は、米国のCB(Conference-Board=コンファレンスボード「全米産業審議委員会」)という民間の調査機関が発表する消費者マインドを指数化したもの。5,000人の消費者にアンケート調査を行い、現在と半年後の景況感、雇用、所得の項目で回答した結果を指数化している。
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107.0 | 110.5 |
前回は市場予想を上回ったものの、前月から低下となり、5ヵ月ぶりの低水準となった。現況指数は4ヵ月ぶりの高水準まで改善したものの、期待指数は5ヵ月ぶりの低水準に落ち込み、消費者が先行きに不安を抱いていることが示された。今回は、さらに低下が予想されており、予想通りの結果なら2021年2月以来の低水準となる。 | ||||
23:00 | 米国 |
2月JOLT労働調査[求人件数]
JOLTS 労働調査(求人件数)は、米労働統計局が求人状況を測定するために実施する調査で、小売業や製造業など各業種の雇用データをもとに算出する統計。
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1100.0万件 | 1126.3万件 |
前回は市場予想を上回ったものの、過去最高を更新した12月の結果からは低下した。ただ、小幅低下に留まり、過去最高水準が維持されており、引き続き企業が人材確保に苦労していることが示される結果となった。今回は、小幅低下が予想されているものの、依然として高水準が維持されると見られている。 |