前営業日トピックス
日本市場の休場で新規材料に乏しく、全般的に薄商いとなり、ドル円・クロス円は序盤から小動きの展開となった。しかし、欧州時間ではロシアのウクライナへの攻撃が続いていることが嫌気され、リスク回避の円買いが進む場面もあった。
米国市場では、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなったこともあり、対円でも序盤から上値の重い動きとなった。その後、パウエルFRB議長の講演でのタカ派的な発言を受けて米金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して上昇となり、対円では119.50まで上昇し、2016年2月以来の高値を更新した。一方、ユーロはウクライナ情勢を巡る懸念を背景にドルや円に対して上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、ウクライナとロシアの停戦交渉が停滞しており、ウクライナ情勢への先行き懸念を背景に主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。さらに、パウエルFRB議長の講演でのタカ派的な発言を受けて、金融引き締め加速への警戒感が高まったことから、主要株価指数は下げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤に前週末比53ドル高まで上昇する場面もあったが、その後は下落に転じて201.94ドル安(-0.58%)で終了、6営業日ぶりの下落となった。一方、ハイテク株中心のナスダックは、55.38ポイント安(-0.40%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)アジア時間では、日本が祝日で主要市場が休場だったことから新規材料に乏しく、ドル円・クロス円は序盤から限定的な動きが続いた。
(2)欧州時間では、ウクライナ情勢を巡る懸念を背景に地政学リスクが意識され、ユーロはドルや円に対して軟調な動きとなり、その他の欧州通貨や資源国通貨もユーロに連れて上値の重い動きとなった。その後、欧州通貨や資源国通貨の下げが一服して値を戻す動きとなり、米国市場ではドルは欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなったことから、対円でも序盤から上値の重い動きとなった。
(3)パウエルFRB議長が講演で「必要なら0.25%を上回る利上げを実施する可能性」「中立金利を上回る引き締めが必要ならそうする」とタカ派的な発言をしたことを受けて、政策金利の動向に敏感な米2年債利回りが2.13%台まで上昇して2019年5月以来の高水準となり、また長期金利の指標となる10年債利回りも2.32%台まで上昇して2019年5月以来、約2年10ヵ月ぶりの高水準を付けたことから、ドルは主要通貨に対して上昇となり、対円では119.50まで上昇して、2016年2月以来の高値を更新した。一方、ユーロはウクライナ情勢を巡る懸念を背景にドルや円に対して上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
前日の海外時間にパウエルFRB議長がタカ派的な発言をしたことで、米国の金融引き締め加速への期待感が高まったことから、米国の長短金利が上昇し、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。対円では日米金利差拡大を意識したドル買い・円売りが優勢となり、ドル円は堅調な動きとなった。休場明けの東京市場では、日経平均株価が序盤から400円超上昇となり、ドル/円はさらに上げ幅を拡大して一時120円台乗せとなった。ここから120円台を維持できるのか、一旦調整となるのか注目したい。また、ウクライナとロシアの停戦協議も注目されており、引き続き関連する報道や要人発言には注意したい。
米国市場では、主要な経済指標の発表がないことから、米国の金融引き締めへの期待感を背景に、米長短金利が引き続き上昇となるのか注目されている。また、ウクライナ情勢に変化があるのかどうかにも注目したい。