前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったものの、前日10日の海外時間で発表された2月の米消費者物価指数が約40年ぶりの高水準となったことや、ECBが予想に反して量的緩和策の縮小方針を維持したことから、ドルやユーロが対円で上昇となり、円は主要通貨に対して軟調な動きとなった。欧州時間では、ロシアのプーチン大統領の発言を受けて地政学リスクが和らいだことからユーロはドルや円に対して堅調な動きとなった。
米国市場では、15-16日のFOMCで利上げが確実視されていることからドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。特に、対円では一時117.36まで上昇し、2017年1月以来の高値を更新した。一方、欧州時間に上昇したユーロは、ウクライナ情勢を巡る懸念が引き続き高いことから、米国時間では上値の重い動きとなった。さらに、ウクライナの外相がプーチン大統領の発言を否定したことから、ユーロは主要通貨に対して下げ幅を拡大した。また、上昇していた米主要株価指数が下落に転じたことから、クロス円も上値の重い動きとなった。
米株式市場では、ロシアのプーチン大統領の発言を受けて、ロシアとウクライナの停戦交渉への期待が高まり、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、ウクライナ外相がこれを否定したことから、主要株価指数は下落に転じて続落となった。さらに、15-16日のFOMCでの利上げ観測が高まったことも圧迫要因となった。ダウ平均株価は、序盤から堅調な動きとなり、一時前日比341ドル高まで上昇した。しかし、その後は下落に転じて229.88ドル安(-0.69%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは、286.15ポイント安(-2.18%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ただ、日経平均株価が下落して始まり、下げ幅を拡大する動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きも見られた。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大し、前日比723円安まで下げ幅を拡大したものの、円売りの流れが続いてドル円・クロス円は底固い動きとなった。昨日の発表された2月の米消費者物価指数が約40年ぶりの高水準となったことや、ECBが金融政策に関して予想に反してタカ派姿勢を維持したことからドルとユーロが対円で買われた。ドル/円は一時117.06まで上昇した。一方、欧州時間にロシアのプーチン大統領が、「ウクライナとの交渉に前向きな変化があった」と発言したことを受けて、ロシアとウクライナの停戦交渉への期待が高まり、地政学リスクが和らいだことからユーロはドルや円に対して堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、前日10日に発表された2月の米消費者物価指数が約40年ぶりの高い伸びとなったことで、15-16日のFOMCで利上げが確実視されていることからドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。特に、対円では一時117.36まで上昇し、2017年1月以来の高値を更新した。一方、ウクライナ情勢を巡る懸念が引き続き高いことや、ウクライナの外相が「前日の協議では進展ゼロ」と発言し、プーチン大統領の発言を否定したことから、欧州時間に上昇したユーロはドルや円に対して軟調な動きとなった。また、上昇していた米主要株価指数が下落に転じたことから、クロス円も上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
ウクライナとロシアの停戦協議に進展が見られず、ウクライナ情勢の先行き不透明感が懸念されており、ここからの新たな動きがあるのか注目されている。一方、米国の消費者物価指数が約40年ぶりの高い伸びとなったことで、15-16日に予定されているFOMCで利上げが確実視されていることから、米国の長短金利が上昇しており、日米の金利差拡大観測からドル/円は、週明けの東京市場で一段の上昇となり、117.60台まで上昇して2017年1月以来の高値を更新した。本日の米国市場では、主要な経済指標の発表がないものの、FOMCまでは利上げ期待を背景に、ドルは底固い動きが続く可能性が予想されている。