前営業日トピックス
日本が祝日で主要市場が休場となったことから、アジア時間ではドル円・クロス円は小動きの展開となった。その後の欧州時間では、欧州主要株価指数が軒並み堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、ドル円・クロス円は上値の重い展開で始まったものの、米主要株価指数が反発して始まったこともあり、その後は底固い動きとなった。しかし、バイデン大統領が48時間以内にロシア軍が侵攻する可能性をウクライナ大統領に警告したとの報道を受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、米主要株価指数が下落に転じて下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米株式市場では、下落が続いた反動もあり主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、ロシアがウクライナ国境付近に軍を集結させており、ロシアのウクライナ侵攻への警戒感が高まったとの見方や、ウクライナが非常事態宣言を出す方針との報道を受けてリスク回避の動きが強まり、主要株価指数は下落に転じて下げ幅を拡大、5営業日続落となった。ダウ平均株価は序盤から堅調な動きとなり、前日比235ドル高まで上昇した。しかし、その後は下落に転じて一時511ドル安まで下落する場面もあり、464.85安(-1.38%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは344.03ポイント安(-2.57%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日本市場が祝日で主要市場が休場となり、新規材料に乏しいことや、市場参加者が少ないことから、ドル円・クロス円は限定的な動きとなった。
(2)欧州時間では、欧州主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。ただ、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して軟調な動きとなったことから、対円でも上値の重い動きとなった。米国市場では、米国の主要な経済指標の発表がない中、ロシアとウクライナの対立は部分的に留まるとの楽観的な見方もあり、また米主要株価指数が反発して始まったことから、ドル円・クロス円は序盤から底固い動きとなった。ドル/円は一時115.20まで上昇した。
(3)ロシア軍がウクライナとの国境付近に軍を集結させていることや、バイデン大統領が48時間以内にロシア軍が侵攻する可能性をウクライナ大統領に警告したことを受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、米主要株価指数が下落に転じて下げ幅を拡大したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
本日のトピックス
ウクライナ情勢に関する報道や状況に左右される展開が続いているが、マーケットが報道に慣れてきた感じもある。そのため、インパクトの大きな材料が出なければ、反応は限定的との見方もある。マーケットでは、ロシア軍がウクライナ国境付近に軍を集結させたとの報道や、48時間以内にロシア軍が侵攻する可能性があるとバイデン大統領が警告したこともあり、今後のロシアの動きなどが注目されている。
米国時間では、第4四半期の米GDPや新規失業保険申請件数の発表が予定されているが、マーケットの注目がウクライナ情勢であることから、予想外の結果とならなければ、反応は限定的と見られている。
2/24の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
第4四半期GDP(前期比年率)
GDPは、一定期間内に米国内で生み出された財とサービスの付加価値の額を合計したもので、国内の経済規模を測るための指標の一つ。GDPの伸び率は、経済成長率を表す指標として重要視されている。そして、個人消費はGDPのおよそ7割を占めることから、構成指数の中では特に重要視されている。
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7.0% | 6.9% |
前回の速報値は市場予想を大幅に上回り、2020年9月以来の高い伸びとなった。在庫積み増し再開が押し上げ要因となり、個人消費も前期から伸びが加速したことも影響した。今回の改定値では、小幅上方修正が予想されており、個人消費も上方修正が予想されている。 | ||||
22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(2/19までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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23.5万件 | 24.8万件 |
前回は市場予想に反して増加となり、3週間ぶりの増加となった。大半の州で減少したものの、一部の週で大幅増加となったことが影響した。今回は、前回から減少が予想されているが、南部や中西部など前回増加した週の改善が見られるのか注目されている。 | ||||
0:00 | 米国 |
1月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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80.0万件 | 81.1万件 |
前回は市場予想に反して増加となり、2ヵ月連続の増加で昨年3月以来の高水準となった。住宅価格の高騰や在庫減にもかかわらず、利上げ観測を背景に購入が進んだことが示された。今回は、前月から小幅減少が予想されているが、需要の強さは継続するとの見方もあり、さらに増加を予想する向きもある。 |
本日のトレードポイント
※出所:FX総合分析チャート
ドル/円は、持ち合いパターンを5波動目で下抜けているものの、現状では一目均衡表の雲で下支えられている。ここから、雲を下抜けて一段の下げとなるのか、引き続き底固い動きが続くのか注目されている。
一方、相場の方向性を示すとされる一目均衡表の基準線は横ばいが続いており、現行の動きと合致しているように見える。この基準線は、28日まで現行の114.906で横ばいが続くものの、その後は上昇に転じて3日には115.237まで上昇することから、この動きに合わせて上昇となるのか、基準線と乖離して下げが加速するのか注目されている。
また、目先の方向性を見る上で参考にされるオシレーターのMACDでは、両線クロスして下向き継続中であることから、両線の乖離幅の拡大が広がる場合には下げは加速を示唆する形状となることから、こちらの形状にも注目したい。
上値のポイント
(1)115.298 (2)115.872 (3)116.337
下値のポイント
(1)114.906 (2)114.439 (3)114.137
気まぐれ投資コラム
恐怖指数の上昇は続くのか?
ロシアのプーチン大統領が、ウクライナの親ロ派武装集団が実効支配する2つの地域の独立を承認したことを受けて、同地域にロシア軍が進軍する可能性が指摘されていることや、欧米などのロシアや2地域に対する経済制裁を発動するなど、更なる対立の可能性が高まっている。これを受けて、主要国の株価指数が大幅下落するなど、投資家のリスク回避の動きが強まっている。
投資家の警戒感を示すとされるVIX指数(Volatility Indexの略)は、昨日31ポイントまで上昇している。VIX指数は、通常は10〜20の間で推移しているが、20を超えると警戒感の高まりを表すとされており、恐怖指数とも呼ばれている。
チャートを見ると、2005年以降でVIX指数が大きく上昇したケースでは、2008年10月のリーマンショックを受けて世界金融危機に陥った時の89.53(史上最高値)、2011年10月のギリシャ国債のデフォルト危機の46.88、2015年8月の中国経済失速懸念の53.29、2018年2月の米賃金上昇をきっかけとした長期金利上昇の50.30、2020年の新型コロナウイルスの感染拡大の85.47となっており、今回どこまで投資家の警戒感が高まるのか注目されている。
※出所:SBILMがデータを基に作成