前営業日トピックス
東京市場では、旧正月で中国などアジアの一部市場が休場となり、新規材料に乏しい中、上昇して始まった日経平均株価が上げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことから、ドル/円は一時115円台を割り込む動きとなったが、115円台では値頃感の買いも見られ115円台を回復するなど底固い動きとなった。しかし、欧州時間に入り、米長期金利の低下が続いたことから、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は、ドル/円の下落に連れて対円で上値の重い動きとなった。
米国市場では、1月の米ISM製造業景況指数が前月から低下したものの、仕入価格が大幅上昇となり、インフレ高進が示されたことを受けて、米長短金利が上昇となり、ドルは主要通貨に対して上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。その後、米長短金利が低下した動きに合わせてドルは主要通貨に対して下落となり、対円でも下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したことや、米主要株価指数が終盤に上げ幅を拡大したことから、対円で堅調な動きが続いた。
米株式市場では、FRBによる金融引き締めへの警戒感が引き続き懸念されており、主要株価指数は序盤から上値の重い動きとなった。しかし、発表が本格化している米企業決算への期待感もあり、全般的に底固い動きが続いた。終盤にかけて、米長期金利が低下したことに合わせて堅調な動きとなり、主要株価指数は続伸となった。ダウ平均株価は、序盤に一時前日比153ドル安まで下落したものの、その後は底固い動きが続き、終盤には上げ幅を拡大して309ドル高まで上昇した。引け間際に上げ幅を縮小して273.38ドル高(+0.78%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、106.12ポイント高(+0.75%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、ドル円・クロス円は序盤から上値の重い動きとなった。日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、一時前日比400円超上昇したものの、その後上げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。一方、豪中銀の金融政策発表では、政策金利の据え置きが発表され、声明で量的緩和策の終了が発表されたが、「QE終了は将来の利上げの可能性を示唆せず」、「消費者物価指数が目標圏内に収まるまで利上げせず」としたことを受けて、豪ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。
(2)午後に入り、日経平均株価が上げ幅をさらに縮小したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続き、ドル/円は一時114.89まで下落した。ただ、115円台割れ近辺では値頃感の買い戻しも入り、再び115円台を回復した。欧州時間に入り、米長期金利が下げ幅を拡大したことから、ドル/円は一段の下げとなり、114.57まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで上昇したものの、対円ではドル/円の下落に連れて軟調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。その後、12月のJOLT求人件数が予想外の増加となったことや、1月の米ISM製造業景況指数が前月から低下したものの、仕入価格が大幅上昇となり、インフレ高進が示されたことから米長短金利が上昇となり、ドルは主要通貨に対して上昇した。ドル/円は、序盤の114.63から114.89まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。
(4)上昇していた米長短金利が低下した動きに合わせて、ドルは主要通貨に対して下落となり、対円では116.64まで下落した。一方、対ドルで上昇したことや、金利低下を受けて米主要株価指数が上げ幅を拡大したことから、欧州通貨や資源国通貨は対円で終盤まで堅調な動きが続いた。
本日のトピックス
マーケットでは、米国の長短金利の動きにドルが敏感に反応する展開が続いており、引き続き金利の動向が注目されている。本日の米国市場では、注目の米ADP雇用統計の発表が予定されている。今回は、前回から伸び幅の大幅低下が予想されており、感染拡大の影響が示されると見られている。結果を受けたマーケットの反応が注目されているが、今年の米国の利上げ期待は依然として高く、金利先物市場でもある程度利の上げを織り込んでいることから、予想通りの結果となった場合でもドルの下値は限定的と見られている。
2/2の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:15 | 米国 |
1月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
|
+18.4万人 | +80.7万人 |
前回は市場予想に反して伸び幅が拡大し、2021年5月以来の高水準となった。過去最高の求人件数を背景に、就業者数が増加していることが示された。今回は、前月の反動から大幅に伸び幅が縮小すると見られており、オミクロン株の感染拡大を背景に、企業側が人員の獲得を抑えている可能性も指摘されている。 |