前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなり、前日比500円超上昇したことからリスク回避の動きが和らぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、時間外取引で米長期金利の上昇もドルの押し上げ要因となり、ドル/円は114.48まで上昇したものの、前日の海外市場の高値の114.49には届かなかった。しかし、午後に入り日経平均株価が上げ幅を拡大したこともあり、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。欧州時間に入り、米長期金利が上昇したことから、ドル/円は一時115.68まで上昇し、1/10以来の高値を更新した。
米国市場では、米国の主要な経済指標が軒並み冴えない結果となったことから、米国の急速な利上げ期待が後退し、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことから、ドル売り・円買いが優勢となり、ドル/円は序盤の115.67から115.12まで下落した。一方、クロス円は米主要株価指数が序盤から下落したことを受けて、対円で軟調な動きとなった。その後、米主要株価指数がプラス圏まで回復し、上げ幅を拡大したものの、ドル/円の下落に連れて上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、ウクライナ情勢を巡る緊張に加え、FRBの利上げへの警戒感を背景に、主要株価指数は序盤から軟調な動きとなった。しかし、米大手企業が予想を上回る決算を発表したことが好感され、主要株価指数は堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、上げ幅を拡大した。ダウ平均株価は、序盤に一時前日比353ドル安まで下落したものの、その後はプラスに転じて終盤に570ドル高まで上昇した。高値圏を維持したまま、564.69ドル高(+1.65%)で終了した。一方、金利動向に敏感なナスダックは、米長期金利の大幅低下を受けて上げ幅を拡大し、417.79ポイント高(3.13%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル/円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、前日の海外市場終盤で1.8%台を割り込んだ米10年債利回りが時間外取引で1.81%まで回復したこともドルの押し上げ要因となり、ドル/円は一時115.48まで上昇した。しかし、海外時間で付けた115.49には届かなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルでの下げが一服したことや、日経平均株価が前日比500円超上昇したことから、対円で序盤から堅調な動きが続いた。
(2)上昇していた日経平均株価が高値圏で推移したことや、10年債利回りも高止まりしたことから、ドル円・クロス円も横ばいの展開が続いた。さらに、日経平均株価が上げ幅を拡大し、594円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。欧州時間には、欧州主要株価指数が下落したものの、米長期金利が上昇したことを受けて、ドル/円は一時115.68まで上昇し、1/10以来の高値を更新した。
(3)米国場では、欧州市場の堅調な流れが一服し、ドル円・クロス円は序盤から軟調な動きとなった。序盤に発表された。個人支出が昨年2月以来の大幅マイナスとなったことや、1月の米ミシガン大学消費者信頼感指数が2011年11月以来、10年2ヵ月ぶりの低水準となったことを受けて、米国の急速な利上げ期待が後退し、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。さらに、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.849%から1.769%まで低下したことを受けて、日米金利差縮小が意識され、ドル売り・円買いが優勢となり、ドル/円は序盤の115.67から115.12まで下落した。一方、クロス円は米主要株価指数が下落したこと序盤から対円で軟調な動きとなったものの、その後米主要株価指数がプラス圏まで回復して上げ幅を拡大したが、ドル/円の下落に連れて上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
先週末のドルは、米国の主要な経済指標が軒並み冴えない結果となったことや、米長期金利が低下したことから、対円で軟調な動きとなった。しかし、依然として年3回程度の利上げが期待されていることもあり、下値は限定的となった。
今週は、週末の米雇用統計をはじめ、主要な経済指標の発表が続くことから、米経済の先行きを見極める上で重要な週となる可能性も考えられる。そのため、指標結果を受けたドルの動きが注目されている。また、ECBや英中銀、豪中銀の金融政策発表なども予定されており、こちらの結果にも注目が集まっている。
本日の海外市場では、ユーロ圏のGDP、1月のドイツの消費者物価指数の発表、米国では1月のシカゴ購買部協会景気指数が予定されており、結果が注目される。
1/31の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
23:45 | 米国 |
1月シカゴ購買部協会景気指数
シカゴ購買部協会景気指数は、シカゴ地区の製造業部門の景況感を指数化したものであり、50が景気の拡大・後退の判断基準となり、50を上回れば景気拡大傾向、50を下回れば景気後退傾向と判断される。また、米ISM製造業景況指数の1営業日前に発表されることから、先行指標とされている。
|
62.0 | 63.1 |
前回は市場予想を上回り、昨年2月以来の低水準となった前月から上昇した。また、景気拡大・縮小の判断基準となる50を18ヵ月連続で上回り、製造業の堅調さが続いていることが示された。今回は、前月から小幅低下が予想されているが、過去5年間の平均の58.0を依然として上回ることから、堅調さが維持すると見られている。 |