前営業日トピックス
東京市場では、前日の海外時間のFOMCで3月の利上げの可能性が示唆されたことを受けて、米国の長短金利が上昇となり、ドルが堅調な動きとなった流れを引き継ぎ、ドルは序盤から主要通貨に対して上昇した。しかし、上昇して始まった日経平均株価が下落に転じて下げ幅を拡大する動きとなったことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ただ、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して上昇したことから、対円では比較的底固い動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された第4四半期の米GDPが予想以上の伸びとなったことを受けて、米景気回復への期待感が高まり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、FRBが3月の利上げの可能性を示唆したことも引き続き材料視された。ドル/円は、一時115.49まで上昇して1/11以来の高値を更新した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、ドル/円の上昇に連れて対円で序盤は堅調な動きとなった。しかし、米主要株価指数が下落に転じて下げ幅を拡大したことから、クロス円は終盤まで上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、序盤に発表された昨年第4四半期の米GDPが市場予想を大幅に上回ったことを受けて、米景気回復への期待感が高まり、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。しかし、FOMCでFRBが利上げに対して積極的な姿勢を示したことが引き続き懸念要因となり、主要株価指数はその後マイナス圏まで下落した。ダウ平均株価は、序盤に一時前日比605ドル高まで上昇したものの、その後は下落に転じて160ドル安まで下落する場面もあったが、7.31ドル安(-0.02%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、前日に決算を発表したハイテク大手が大幅下落となった影響で下げ幅が拡大し、189.33ポイント安(-1.40%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)前日の米FOMCで、3月の利上げ開始が示唆されたことを好感してドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった流れを引き継ぎ、ドルは東京時間でも序盤から堅調な動きとなった。ドル/円は、米国市場で付けた高値114.69を上抜けて114.78まで上昇した。一方、日経平均株価が上昇して始まったことからクロス円も底固い動きとなった。
(2)日経平均株価が下落に転じ、下げ幅を拡大する動きとなったことから、投資家のリスク回避の動きが意識され、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。午後に入り、さらに日経平均株価が下げ幅を拡大し、一時966円安まで下落したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。ただ、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して上昇したことから、対円でも底固い動きとなった。欧州時間では、下落して始まった欧州主要株価指数が下げ幅を縮小する動きとなったことから、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された第4四半期の米GDPが予想以上の伸びとなり、昨年通年では37年ぶりの大幅な伸びとなったことを受けて、米景気回復への期待感が高まり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。さらに、FRBが3月の利上げ、バランスシートの縮小に着手する可能性を示唆したことも引き続き材料視された。対円では、一時115.49まで上昇し、1/11以来の高値を更新した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで軟調な動きが続いたものの、米主要株価指数が序盤から堅調な動きとなったことや、ドル/円の上昇に連れて対円で序盤から堅調な動きとなった。
(4)しかし、終盤にかけて米主要株価指数が下落に転じ、マイナス圏まで下げ幅を拡大したことから、クロス円は終盤までは上値の重い動きが続いた。一方、ドルは対円で上値の重い動きとなったものの、下値は限定的となり、引けにかけて再び堅調な動きとなった。
本日のトピックス
昨日の海外市場では、ドル/円が7営業日ぶりに115円台を回復した。ただ、115円台中盤には短期筋などのドル売りも観測されていることから、ドル売りをこなして一段の上昇となるのか、イベント(FOMC)も終了した週末であることから、一旦利益確定の動きなどから上値の重い動きとなるのか注目される。目先は115円台を維持できるかどうかで方向性が決まる可能性も考えられる。
本日の米国市場では、個人所得・支出統計、1月ミシガン大学消費者信頼感指数の発表が予定されているが、個人支出はマイナスが予想されており、予想通りなら昨年2月以来のマイナスとなることから、結果とマーケットの反応に注目したい。一方、ミシガン大学消費者信頼感指数は確報であることから、速報から大幅な修正がなければ反応は限定的と見られている。
1/28の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
1月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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68.7 | 68.8 |
前回は市場予想を上回ったが、前月からは低下した。現況指数は2011年以来の低水準となり、期待指数も低下、さらに1年先のインフレ期待は2008年以来の高水準を維持、5−10年先のインフレ期待も2011年以来の高水準となった。インフレ高進やオミクロン株の感染拡大に対する懸念が消費者マインドを低下させていることが示された。今回は、引き続き状況が改善していないことから、前月からさらに低下が予想されている。 |