前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から下落となり、リスク回避の円買いが強まったことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、実需によるドル売りが観測されたこともドル/円を圧迫し、114円台を割り込んで一時113.64まで下落した。また、来週の日銀金融政策決定会合で日銀が金融政策を修正する可能性との報道も円買いに拍車をかけた。ただ、下げ一服後は値を戻す動きが優勢となった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が冴えない結果となったことが嫌気され、ドルは主要通貨に対して軟調な動きとなった。特に、ドル/円は一時113.49まで下落して昨年12/20以来の安値を付けた。しかし、下げ一服後、値頃感のドル買い戻しに加え、米長期金利が上昇したことから、ドル/円は114.26まで値を戻した。一方、終盤にかけて米主要株価が下げ幅を縮小したことや、ドル/円の上昇に連れてクロス円も引けにかけて堅調な動きとなった。
米株式市場では、米経済指標が冴えない結果が続いたことや、大手金融の四半期決算が冴えない内容となったことが嫌気され、米景気減速への懸念が強まり、主要株価指数は軟調な動きとなった。ただ、ナスダック、S&P500は終盤にプラス圏まで値を戻して引けた。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比472ドル安まで下落した。その後は下げ幅を縮小したものの、201.81ドル安(-0.56%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは86.94ポイント高(+0.59%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、日経平均株価が下落して始まり、節目となる28,000円を下回ったことから投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。その後、日経平均株価は下げ幅を拡大し、一時前日比599円安まで下落したことから、ドル円・クロス円も一段の下落となり、ドル/円は113.64まで下落し、12/21以来の安値を更新した。さらに、18日に日銀が公表する「経済・物価情勢の展望」で金融政策が修正される可能性との観測が報道されたことも円買いに拍車をかけた。
(2)午後に入り、ドル円・クロス円は底固い動きとなり、さらに日経平均株価が下げ幅を縮小したこともあり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
(3)米国市場では、オミクロン株の感染拡大を背景に、12月の米小売売上高が市場予想を大幅に下回ったことや、12月の米鉱工業生産が予想外のマイナスとなったことを受けて、米景気減速への懸念が強まり、ドルは主要通貨に対して下落した。ドル/円は、一時113.49まで下落して昨年12/20以来の安値を付けた。
(4)下げ一服後は、値頃感のドル買い戻しに加え、米主要株価指数が軟調な動きとなったことからリスク回避のドル買いが優勢となり、ドルは主要通貨に対して反発となった。さらに、米国の金融正常化が前倒しされるとの見方が根強く、政策金利の動向に敏感な米2年債利回りが2020年2月以来の高水準となり、また米長期金利の指標となる10年債利回りも再び1.79%台まで上昇したことから、ドル/円は114.26まで上昇した。一方、終盤にかけて米主要株価が下げ幅を縮小したことや、ドル/円の上昇に連れてクロス円も引けにかけて堅調な動きとなった。
本日のトピックス
本日から日銀の金融政策決定会合が始まるが、先週末に日銀が金融政策を修正する可能性との報道を受けて、円買いが優勢となったことから、明日の結果発表が注目されている。そのため、様子見ムードが強まるとみられているものの、東京市場では前週末の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は底固い動きが続いている。
本日の欧州市場では、主要な欧州の経済指標の発表がないことや、米国市場がキング牧師の記念日のため主要市場が休場となることから、市場参加者も少なく、限定的な動きが続くと予想されている。