前営業日トピックス
東京市場では、内外でオミクロン株の感染が拡大していることから、日経平均株価が序盤から大幅下落となり、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大して840円超下落したことから、クロス円は一段の下落となった。一方、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して上昇したことから、対円では底固い動きとなった。ただ、欧州時間では欧州主要株価指数が序盤から軒並み下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標がいずれも冴えない結果となったことから、ドルは上値の重い動きとなった。さらに、米長期金利が低下したこともドルの圧迫要因となった。その後は、米長期金利が高止まりしたことや、前日のFOMCの議事要旨で利上げの前倒しの可能性が言及されたことが引き続き材料視され、ドルは底固い動きが続いた。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで軟調な動きとなったことから、対円でも上値の重い動きが続いた。
米株式市場では、前日に公表されたFOMC議事要旨で、利上が前倒しされる可能性に言及されていたことが引き続き材料視され、主要株価指数は軟調な動きとなった。ただ、前日大幅下落したナスダックは買い戻しの動きも見られ、序盤からプラス圏で推移したものの、米長期金利が高止まりしたこともあり、終盤には再びマイナス圏に落ち込んだ。ダウ平均株価は、一時前日比206ドル安まで下落する場面もあり、170.64ドル安(-0.47%)で終了。一方、ハイテク株中心のナスダックは19.30ポイント安(-0.13%)で終了し、3営業日続落となった。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドルは序盤から底固い動きとなった。しかし、オミクロン株の感染拡大が嫌気され、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、500円超下落したことから、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
(2)午後に入り、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して堅調な動きとなったことから、対円で底固い動きが見られたものの、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことや、日経平均株価が下げ幅を拡大し、840円超下落したことから上値の重い動きとなった。欧州時間に入り、欧州主要株価指数が序盤から軟調な動きとなったことが嫌気され、ドル円・クロス円は上値の重い動きが続いた。
(3)米国市場では、序盤に発表された11月の米貿易収支や米新規失業保険申請件数が市場予想より冴えない結果となり、その後に発表された12月の米ISM非製造業景況指数も予想以上の低下となったことから、ドルは上値の重い動きとなった。さらに、欧州時間に1.75%台まで上昇し、約9ヵ月ぶりの高水準となっていた米10年債利回りが低下したこともドルの圧迫要因となり、ドル/円は一時115.63まで下落した。
(4)米長期金利が高止まりで推移したことや、前日のFOMC議事要旨で利上げ前倒しの可能性が言及されたこともあり、ドルは底固い動きが続いた。さらに、セントルイス連銀総裁が「FRBは3月に利上げが可能」との見方を示したことも加わり、ドル/円は115.95まで値を戻す動きとなった。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで軟調な動きとなったことから、対円でも上値の重い動きが続いた。
本日のトピックス
前日のFOMC議事要旨で利上げ前倒しの可能性が言及されていたことや、米当局者が3月にも利上げが可能との見方を示したことで、ドットチャート(FOMCメンバーの予想)で今年3回の利上げが予想されていたものの、一部では3月利上げとなれば年4回の利上げも可能との見方が出たこともあり、ドルは底固い動きが続いている。前日の海外市場で、ドル/円は116円台を回復できなかったものの、東京時間では序盤からドルが堅調な動きとなり、ドル/円は116円台を回復するなど、堅調な動きとなっている。
本日の米国市場では、米国の雇用統計の発表が予定されており、先に発表されたADP雇用統計が予想以上の大幅の伸びとなったことから、雇用者数の伸び幅拡大への期待が高まっている。予想以上の結果となる場合には、ドルの押し上げ要因となる可能性も考えられるが、前月のように市場予想を大きく下回る場合には、再び軟調な動きとなる可能性も。
1/7の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:30 | 米国 |
12月非農業部門雇用者数
非農業部門に属する事業者の給与支払い帳簿をもとに集計された雇用者数。農業以外の産業で働く雇用者であり、経営者や自営業者は含まれない。
|
44.7万人 | 21.0万人 |
前回は市場予想に反して伸び幅が縮小し、2020年12月の低い伸びとなった。季節的要因との見方がある一方で、オミクロン株の感染拡大が影響しているとの見方もあった。今回は、前回の反動もあり、伸び幅の拡大が予想されている。また、先に発表されたADP雇用統計が予想以上の大幅な伸びとなったことも期待感を押し上げている。 |