前営業日トピックス
東京市場では、年明けで新規材料に乏しい中、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことから、投資家のリスク選好の動きが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、米長期金利が上昇したことや、欧州主要株価指数が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きが続いた。
米国市場では、米国の早期の利上げ期待を背景に、米長期金利が上昇したことを受けて、ドル/円は一時116.35まで上昇し、2017年1月以来の高値となった。ドル/円は序盤から116円台で推移したが、その後上昇していた米長期金利が低下したことや、米経済指標が軒並み市場予想を下回ったことから、ドルは主要通貨に対して伸び悩み、ドル/円は一時115.96まで下落した。ただ、下値は限定的となり、終盤までドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
米株式市場では、オミクロン株の感染拡大が経済に与える影響は限定的との見方を背景に、主要株価指数は上昇して始まった。さらに、米長期金利が上昇したことで、金融株が買われたこともダウの押し上げ要因となった。ただ、ダウ平均株価は、一時前日比349ドル高まで上昇し、取引時間中の最高値を更新した。その後は上げ幅を縮小したものの、214.59ドル高(+0.59%)で終了し、終値ベースの最高値も2日連続で更新した。一方、ナスダックは上昇して始まったものの、金利上昇が嫌気されて下落に転じて210.08ポイント安(-1.33%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)変異株に対する悲観的な見方が後退していることから、前日の海外市場で主要株価指数が堅調な動きとなったことを受けて、日経平均株価も序盤から上昇となり、30日と比べ450円超上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。さらに、本日まで休みの企業も多く、実需の利益確定の動きも限定的となったことや、米長期金利が時間外取引で高値圏を維持していることもドルの押し上げに寄与した。ドル/円は、一時115.82まで上昇した。
(2)その後は上値の重い動となったものの、底固い動きが続いた。さらに、欧州市場では欧州主要株価指数が軒並み上昇したことや、米長期金利が上昇したことを受けて円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。米国の早期の利上げ期待を背景に、米長期金利の上昇が続き、米10年債利回りが1.68%台まで上昇し、昨年11/24以来の高水準となったことを受けて、ドル/円は一時116.35まで上昇し、2017年1月以来の116円台乗せとなった。その後、米10年債利回りが低下したことや、2月の米ISM製造業景況指数、11月の米JOLT求人件数がともに市場予想を下回ったことから、ドルは主要通貨に対して下落となり、ドル/円は一時115.96まで下落した。一方、英首相がオミクロン株の感染拡大を、ロックダウンをしないで対処する計画を発表したことを受けて、英経済の回復が継続するとの期待感を背景に、ポンドは主要通貨に対して上昇となり、対円で昨年10/26以来、対ドルで11/10以来の高値を更新した。
(4)ダウ平均が最高値を更新したことや、米長期金利が高値圏を維持したことから下値は限定的となり、終盤までドル円・クロス円は底固い動きが続いた。
本日のトピックス
前日の海外市場では、5年ぶりにドル/円が116円台乗せとなり、ここから116円台を維持できるのか注目されている。昨日まで休みだった本邦企業が動き出すことから、116円台で利益確定売りが観測されるとの指摘もあり、値動きが注目される。
本日の米国市場では、12月の米ADP雇用統計の発表が予定されており、良好な結果となるようなら、テーパリングの前倒し終了への期待感が高まる可能性も考えられる。ただ、市場予想では前月から伸び幅の縮小が予想されており、結果とマーケットの反応が注目されている。また、FOMCの議事要旨の公表が予定されており、タカ派的な内容となったFOMCの議事要旨だが、どこまで具体的な議論が行われたのか注目されている。テーパリングのさらなる加速の可能性や、バランスシート縮小などの議論がされていれば、米長期金利の上昇、ドル上昇となる可能性も考えられる。ただ、マーケットでは今年3回の利上げは既に織り込まれていることもあり、利上げ前倒しにつながる内容でなければ、上値の重い動きとなる可能性も考えられる。
1/5の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
---|---|---|---|---|
22:15 | 米国 |
12月ADP雇用統計
ADP雇用統計は、民間の給与計算代行サービス会社であるADP(Automatic Data Processing)社のデータを用いて、マクロエコノミック・アドバイザーズ社が発表している雇用統計。2200万人の支払い給与の動向に基づき算出、通常米国雇用統計が発表される2営業日前に発表されるため、米国雇用統計の結果を予想する上でよく参考にされる。
|
36.0万人 | 53.4万人 |
前回は市場予想を上回ったものの、前月の結果から減少した。米求人件数が過去最高水準にあり、引き続き労働市場の改善が続いていることが示された。今回は、前月から減少が予想されており、予想通りの結果なら昨年8月以来の低水準となり、前月まで50万人以上の伸びが続いた流れが一服すると見られている。 |