前営業日トピックス
前日の海外市場の堅調な流れが一服し、ドルは序盤から上値の重い動きとなった。ただ、日経平均株価が上昇して始まったことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなり、ドル/円は114.18まで上昇した。しかし、前日の海外時間に付けた114.22には届かず、その後は上値の重い動きが続いた。欧州時間に入り、欧州主要株価指数が上昇したこと受けて、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、欧州時間からドルが欧州通貨や資源国通貨に対して下落した流れを受けて、対円でも序盤から軟調な動きとなった。その後、米経済指標が前月から改善したことや、米長期金利が上昇に転じたことを受けて、ドル/円は序盤の114.12から114.37まで上昇し、11/26以来の高値を付けた。しかし、欧州通貨や資源国通貨に対して下落が続いたことや、米長期金利が再び低下したことを受けて、ドル/円は終盤に114.08まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、終盤までドルや円に対して底固い動きが続いた。
米株式市場では、FDA(米食品医薬品局)が米ファイザーの開発した新型コロナウイルス治療薬の使用を承認したことが好感され、主要株価指数は堅調な動きとなった。さらに、米消費者信頼感指数が改善したことも支援材料となり、主要株価指数は続伸となった。ダウ平均株価は、序盤に59ドル安となったものの、その後は上昇に転じて261.19ドル高(+0.74%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、180.80ポイント高(+1.18%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、新規材料に乏しい中、日経平均株価が上昇して始まり、一時前日比156円高まで上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は底固い動きとなった。しかし、日経平均株価マイナス圏まで下落すると、ドル円・クロス円も上値の重い動きとなった。その後、株価が持ち直したことや、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は114.18まで上昇したが、海外市場に付けた114.22は越えられなかった。
(2)午後に入り、日経平均株価が下げ幅を拡大したことや、米長期金利が低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。ただ、日経平均株価はプラス圏に戻して終了しことや、欧州主要株価指数が堅調な動きとなったこと、また米株価先物が上昇したことも加わり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、欧州市場の流れを受けて、クロス円は序盤から堅調な動きとなった。一方、ドルは欧州通貨や資源国通貨に対して下落が続いたことから、対円でも序盤から軟調な動きとなった。その後、12月の米消費者信頼感指数と11月の米中古住宅販売件数がともに前月から改善したことや、一旦低下していた米長期金利が再び上昇に転じたことを受けて、ドル/円は序盤の114.12から114.37まで上昇し、11/26以来の高値を付けた。
(4)ロンドンフィキシングに向けてドル売り・ユーロ買いが優勢となったことや、米長期金利が低下したことから、ドル/円は終盤にかけて114.08まで下落した。一方、欧州通貨や資源国通貨は、終盤までドルや円に対して底固い動きが続いた。
本日のトピックス
明日、クリスマスのため多くの海外市場が休場となることから、市場参加者も徐々に少なくなることが予想されており、本日も比較的狭いレンジの動きが予想されている。本日、欧州時間では主要な経済指標の発表がないものの、米国時間では米新規失業保険申請件数、12月のミシガン大学消費者信頼感指数、11月の新築住宅販売件数の発表が予定されている。ただ、市場予想から乖離する結果とならなければ、マーケットの反応は限定的と見られている。
12/23の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
新規失業保険申請件数(12/18までの週)
新規失業保険申請件数は、労働省が失業保険を申請した人(失業者)の数を毎週発表する経済指標。毎週(木曜日)発表されるため、雇用情勢の速報性に優れており、雇用統計の先行指標として注目されている。ただ、米国の祝祭日や天候などの影響を受けやすいという点もある。
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20.5万件 | 20.6万件 |
前回は市場予想を上回り、前週の52年ぶりの低水準から増加となった。ただ、最低水準に留まっており、労働市場の回復が続いていることが示された。今回は、前週から小幅増加が予想されているが、依然として低水準が維持されると見られている。マーケットでは、20万件を下回るか、前々週の18.4万件を下回れば、反応も大きくなる可能性も指摘されている。 | ||||
0:00 | 米国 |
12月ミシガン大学消費者信頼感指数
ミシガン大消費者信頼感指数は、ミシガン大学が消費者にアンケート調査を行い、現況指数(現在)、期待指数(将来)など消費者マインドを指数化した経済指標である。速報は300人、確報は500人を対象に調査を実施し、1964年の指数を100として算出する。コンファレンス・ボード(CB)が発表する消費者信頼感指数と共に消費者マインドを見る上で重要な経済指標である。
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70.4 | 70.4 |
前回の速報は市場予想と一致し、10年ぶりの低水準となった前回から上昇となった。現在の景況感、先行の景況感がともに上昇となったことが影響した。ただ、1年先のインフレ期待は2008年以来の高水準を維持した。今回の確報は、速報から横ばいが予想されており、予想通りの結果なら反応は限定的と見られる。 | ||||
0:00 | 米国 |
11月新築住宅販売件数
新築住宅販売件数は、米国内で販売された新築住宅件数(売買契約締結時点)を集計した経済指標であり、地域別の販売件数や販売価格、一戸建やコンドミニアム、集合住宅を含めた数字も発表されている。そして、景気動向の先行を見る上で注目されている指標の一つである。
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77.0万件 | 74.5万件 |
前回は市場予想を下回ったものの、2ヵ月連続で増加となった。コスト高で販売価格の上昇が続いているものの、住宅需要の好調が続いていることが示された。今回は、さらに増加が予想されており、一旦減少した住宅販売の改善傾向が続いていることが示されると見られている。 |