前営業日トピックス
東京市場では、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株か確認されことを受けて、変異株の感染が拡大するとの懸念が高まり、日経平均株価が序盤から800円超下落するなど、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の115.37から113.65まで下落した。さらに、時間外取引で米国の長短金利が大幅に低下したこともドルの圧迫要因となった。
米国市場では、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が確認されたことを受けて、世界経済の回復が遅れるとの警戒感から投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は113.05まで下落し、11/10以来の安値となった。
米株式市場では、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が確認されたことで、世界経済の先行きへの警戒感から主要株価指数は大幅下落となった。ダウ平均株価は、一時前日比1054ドル安まで下落し、今年最大で約1年1ヵ月ぶりの大幅な下落となった。終盤にかけてやや下げ幅を縮小したものの、905.04ドル安(-2.53%)で終了し、約1ヵ月半ぶり35000ドルを割り込んだ。一方、ハイテク株中心のナスダックは、356.57ポイント安(-2.23%)で終了し、1ヵ月ぶりの安値となった。なお、米株式市場は感謝祭翌日で短縮取引。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が見つかったことを受けて、感染拡大への不安感が広がり、投資家のリスク回避の動きが強まったことから安全資産とされる円が買われる動きとなり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。ドル/円は、序盤の115.37から114.69まで下落した。一方、南ア・ランドは主要通貨に対して大幅下落となり、対円では3/10以来、対ドルでは2020年11/4以来の安値となった。
(2)下げ一服後、ドル/円は115円台を回復するなど、クロス円も値を戻す動きとなったが、序盤から下落した日経平均株価が893円安まで下落したことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.597%から1.503%、政策金利の動向に敏感な2年債利回りが0.616%から0.486%までそれぞれ低下したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きが続いた。ドル/円は113.65まで下落した。
(3)その後、米長期金利が持ち直したことから、ドル/円は114円台を回復したものの、米国市場でも南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が確認されたことを受けて、世界経済の回復が遅れるとの警戒感が広がり、主要株価指数が大幅下落となるなど、投資家のリスク回避の円買いが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米10年債利回りが1.551%から1.469%まで低下し、11/10以来の低水準となったことも加わり、ドル/円も一時113.05まで下落し、11/10以来の安値となった。一方、ユーロは対円で2/24以来の安値となったものの、米長期金利の低下を受けてドル売り・ユーロ買いが優勢となり、ユーロ/ドルは11/19以来の高値まで上昇した。また、エルドアントルコ大統領が「トルコの金利は今後低下する」と発言したことから、トルコリラ売りが加速し、対円ではリスク回避の動きも加わり、再び8円台まで下落した。
本日のトピックス
南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異株が確認されたことを受けて、前週末は世界的な株安となり、投資家のリスク回避の動きが強まり、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。週明けの東京市場では、ドル円・クロス円は底固い動きとなっているが、ドル/円は114円台回復できるのか注目されている。
事実上の感謝祭明けとなる米国市場では、先週末に大幅下落となった主要株価指数や、米長期金利の持ち直しが見られるのか注目されている。一方、本日は10月の米中古住宅販売仮契約の発表が予定されているが、30日に11月の米消費者信頼感指数、1日に11月の米ADP雇用統計、11月の米ISM製造業景況指数、3日には米雇用統計と主要な経済指標の発表が予定されており、様子見ムードが強まる可能性も考えられ、反応は限定的と見られている。
11/29の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
10月中古住宅販売仮契約(前月比)
中古住宅販売仮契約は、全米不動産業者協会が発表する中古住宅販売の仮契約を指数化したもの。2001年を100として表す。仮契約は通常1-2ヵ月以内に本契約に移行するため、仮契約指数は中古住宅市場の先行指数とされる。
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0.7% | -2.3% |
前回は市場予想を下回り、2ヵ月ぶりのマイナスとなり、4月以来の大幅低下となった。4地域すべてでマイナスとなったことが影響した。 今回はプラス啓善が予想されているが、ここから年末にかけて在庫が減少傾向となる時期であることから、住宅価格の上昇が続くようなら契約数が伸び難くなる可能性を指摘する向きもあり、結果が注目される。 |