前営業日トピックス
東京市場では、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったことや、米長期金利が上昇したことを受けて、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。ただ、週末で新規材料に乏しいことから、全般的に値動きは限定的だった。欧州時間に入り、米10年債利回りが1.6%台を回復したこともあり、ドル/円は114.54まで上昇した。ただ、その後はオーストリアでの感染防止のための行動規制など、欧州での感染拡大への警戒感のほか、米国でも中西部や北東部で感染者数の増加が確認されるなどの懸念も見られ一転して長期金利が低下したことや、欧州主要株価指数が下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。
米国市場では、欧州市場の軟調な動きが一服し、ドルは序盤から底固い動きとなった。ただ、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しい中、ドル/円は狭いレンジ内の動きとなった。米当局者がテーパリングを加速させることが適切と発言したことを受けてドルは底固い動きとなり、欧州時間に一時113.59まで下落したドル/円は114円台まで回復する動きとなった。一方、米主要株価指数がまちまちの動きとなったこともあり、クロス円も方向感に欠ける動きとなった。
米株式市場では、欧州主要株価指数が下落したことを受けて、米主要株価指数も上値の重い動きとなった。また、ボーイングが中型機の生産ペースを落としているとの報道を受けて、同社株が大幅下落となったことがダウ平均株価を引き下げた。ダウ平均株価は、序盤から軟調な動きとなり、一時前日比315ドル安まで下落した。その後はやや下げ幅を縮小し、268.97ポイント安(-0.75%)で終了した。一方、金利動向に敏感なナスダックは、米長期金利が大幅低下したこともあり、63.73ポイント高(+0.40%)で終了し、2日連続で過去最高値を更新した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場終盤の流れを引き継ぎ、ドル円・クロス円は序盤から堅調な動きとなった。さらに、日経平均株価が序盤から堅調な動きとなったこともドル円・クロス円の押し上げに寄与した。
(2)その後、やや上値の重い動きとなったものの、午後に入り日経平均株価が上げ幅を拡大し、前日比169円高まで上昇したことや、米長期金利の指標となる米10年債利回りが再び1.6%台に回復したことも加わり、ドル円・クロス円は底固い動きが続いた。ドル/円は、一時114.54まで上昇した。
(3)欧州市場では、オーストリアでの感染防止のための行動規制など、欧州での感染拡大への警戒感のほか、米国でも中西部や北東部で感染者数の増加が確認されるなどの懸念も見られ、米10年債利回りが1.604%から1.513%まで低下したことからドル/円は113.59まで下落した。一方、ドル/円が下落したことや、上昇して始まった欧州主要株価指数が軒並み下落に転じたことから、欧州通貨や資源国通貨も対円で軟調な動きとなった。
(4)米国市場では、ドイツ外務相がロックダウンに否定的見解を示したことから米長期金利の大幅低下に一服感が見られ、ドルは序盤から底固い動きとなった。ただ、米国の主要な経済指標の発表がなく新規材料に乏しいことから、ドル円・クロス円は狭いレンジ内の動きとなった。その中で、ウォーラーFRB理事が「テーパリングの加速を指示する」、クラリダFRB副議長が「12月のFOMCでテーパリングの加速について議論することが適切」と発言したことを受けて、ドルが買われる動きとなり、114円台を回復したものの、上値は限定的だった。一方、ユーロは対ドルで一時2020年7/6以来の安値を付けたものの、ドイツ外相がロックダウンの可能性を否定したことを受けて値を戻したものの上値は限定的だった。
本日のトピックス
今週は、23日に日本市場が祝日のため休場となることや、25日に米国市場が感謝祭で休場となることから、市場参加者が徐々に少なくなることが予想される。そのため、全般的に限定的な動きが予想されている。その中で、週明けの本日の海外市場では、10月の米中古住宅販売件数の発表が予定されており、前月からの減少が予想されているが、市場予想の範囲内の結果ならマーケットの反応は限定的と見られている。一方、マーケットでは、金利動向に敏感に反応する動きが続いていることもあり、本日予定されている米国の2年債、5年債の入札結果とマーケットの反応に注目したい。
11/22の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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0:00 | 米国 |
10月中古住宅販売件数
中古住宅販売件数は、所有権が移転した中古住宅の販売件数であり、米国の景気動向を見る上で重要視されている経済指標の一つである。所得やローン金利の動向に影響を受けることから、ローン金利動向やローン申請件数と関係も深い。
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620万件 | 629万件 |
前回は市場予想を上回る結果となり、今年1月以来の高水準となった。住宅需要が根強い中で、住宅価格の上昇ペースが和らいだことや、住宅ローン金利が低下したことが影響した。今回は、前回から減少が予想されているが、引き続き高水準が続くことが予想されている。 |