前営業日トピックス
東京市場では、下落して始まった日経平均株価が上昇に転じたことや、米長期金利が上昇したことから、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は、一時114.31まで上昇して11/1以来の高値となった。しかし、午後には日経平均株価がマイナス圏まで下落したことや、米長期金利が再び低下したことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。欧州時間では、英国の雇用統計が良好な結果となったことから、ポンドがドルや円に対して堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された米経済指標が軒並み良好な結果となったことから、米景気の先行き期待が高まり、ドルは主要通貨に対して上昇した。さらに、米長期金利が上昇したことも加わり、ドル/円は114.84まで上昇した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。ただ、英中銀が年内に利上げに踏み切るとの見方が強まったことで、ポンドは底固い動きが続き、対円で約2週間ぶりの高値となった。
米株式市場では、序盤に発表された米小売売上高、10月の米鉱工業生産がともに市場予想を上回る結果となったことで、米景気の先行き期待が高まり、主要株価指数は序盤から堅調な動きとなった。その後は米長期金利の上昇を受けて、終盤には上げ幅を縮小した。ダウ平均株価は、序盤に一時前日比229ドル高まで上昇したものの、終盤には上げ幅を縮小して54.77ドル高(+0.15%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは、120.01ポイント高(+0.76%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)東京市場では、前日の海外市場の流れを引き継ぎ、ドル/円は序盤から堅調な動きとなった。その後、下落して始まった日経平均株価が上昇に転じ、一時前日比184円高まで上昇したことから、ドル円・クロス円も堅調な動きとなった。さらに、時間外取引で1.60%台を割り込んだ米10年債利回りが再び1.61%台まで上昇したことも加わり、ドル/円は一時114.31まで上昇し、11/1以来の高値を付けた。
(2)午後には、日経平均株価が上げ幅を縮小してマイナス圏まで下落したことや、米10年債利回りが再び1.6%台を割れたことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。オンラインで米中首脳会談が開催されたが、具体的な内容に乏しく、マーケットの反応は限定的だった。一方、欧州時間では、英国の雇用統計が良好な結果となったことや、インフレ高進を受けて、英中銀が年内に利上げに踏み切るとの見方が強まり、ポンドは堅調な動きとなった。
(3)米国市場では、序盤に発表された10月の米小売売上高や、10月の米鉱工業生産がともに市場予想を上回る結果となり、米景気の先行き期待が高まったことから、ドルは主要通貨に対して上昇した。さらに、セントルイス連銀総裁が、テーパリングのペースを加速させれば2022年第1四半期末にも利上げが可能と発言したことや、テーパリング終了を待たずに利上げが可能との見方を示したこともドルの押し上げに寄与した。
(4)米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.597%から1.643%まで上昇し、約3週間ぶりに1.64%台回復したことも加わり、ドル/円は序盤の114.24から114.84まで上昇し、2017年3/15以来の高値を付けた。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことから、対円でも上値の重い動きとなった。また、ポンドは対ドルで底固い動きが続いたこともあり、対円でも約2週間ぶりの高値となった。
本日のトピックス
欧州時間では、英国とユーロ圏の10月の消費者物価指数の発表が予定されている。特に、前日に英雇用統計が良好な結果となったこともあり、年内の利上げ期待が高まったことを受けて、ポンドは対円で11/4以来の高値を付けるなど堅調な動きとなった。本日の10月の消費者物価指数でインフレ高進が示されれば、利上げ期待が一段と高まる可能性も考えられることから、結果には注目したい。
また、政策金利発表を18日に控えて南アフリカの10月の消費者物価指数の発表も予定されており、現在、金利据え置きと利上げ予想が拮抗していることから、こちらの結果にも注目したい。
一方、米国時間では、住宅着工件数の発表やFRB理事を含む複数の米当局者の発言が予定されており、発言の内容が注目されている。さらに、東京時間に入りドル/円が一段の上昇となり、114.97まで上昇して115円台を伺う動きが見られたこともあり、115円台の大台乗せとなるのかどうかにも注目が集まっている。
11/17の注目材料
時間 | 国・地域 | 経済指標・イベント | 予想 | 前回 |
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22:30 | 米国 |
10月住宅着工件数
住宅着工件数は、建設が着工された民間住宅の着工件数を集計した経済指標で、家電製品などの個人消費との相関性も高いことから、景気動向を見る上で重要な指標である。また、天候の影響を受けやすいという面もある。
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158.0万件 | 155.5万件 |
前回は市場予想に反して減少となり、4月以来の低水準となった。引き続きサプライチェーンの混乱を背景とした原材料価格の上昇が住宅価格にも波及していることが影響し、一戸建て住宅は変わらなかったものの、集合住宅が減少した。今回は、前月から増加が予想されているが、前月に先行指標となる許可件数が2020年8月以来の低水準まで減少したことがやや圧迫要因となっている可能性も。 |