前営業日トピックス
東京市場では、新規材料に乏しい中、日経平均株価が序盤から軟調な動きとなったことから、ドル円・クロス円は上値の重い動きとなった。さらに、米消費者物価指数の発表を控えて様子見ムードが強まったことも影響した。欧州時間では円売りが優勢となり、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。
米国市場では、序盤に発表された10月の米消費者物価指数が前年比ベースで1990年11月以来、30年11ヵ月ぶりの大きな伸び率となったことを受けて、米長期金利が上昇したことから、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は一時114.02まで上昇し、3日ぶりに114円台を回復した。一方、欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことに加え、米主要株価指数が下落したことから、対円でも軟調な動きが続いた。
米株式市場では、10月の消費者物価指数が1990年11月以来の大幅な上昇率となり、インフレ加速への懸念を背景に米長期金利が上昇したことを受けて、投資家のリスク回避の動きが広がり、主要株価指数は軒並み続落となった。ダウ平均株価は、一時前日比310ドル安まで下落したものの、引けにかけてやや下げ幅を縮小して240.04ドル安(-0.66%)で終了した。一方、ハイテク株中心のナスダックは263.83ポイント安(-1.66%)で終了した。
米ドル/円
※出所:FX総合分析チャート10分足
(1)日経平均株価が序盤から軟調な動きとなり、一時前日比200円超下落したことから、ドル円・クロス円は軟調な動きとなった。さらに、米長期金利が低下したことも加わり、ドル/円は112.78まで下落した。しかし、前日の海外市場の安値である112.74までは届かずに底固い動きとなった。
(2)欧州時間に入り、欧州勢が円売りを先行させたとの観測から、ドル円・クロス円は堅調な動きとなった。ドル/円は113.23まで上昇した。
(3)米国市場では、序盤に発表された10月の米消費者物価指数が前年比ベースで1990年11月以来、30年11ヵ月ぶりの大きな伸び率となったことを受けて、インフレ加速への懸念が強まり、米長期金利の指標となる米10年債利回りが1.462%から1.587%まで上昇、さらに米30年債入札が低調だったことも米長期金利の押し上げ要因となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。ドル/円は、米消費者物価指数の発表前の113.21から114.02まで上昇し、3日ぶりに114円台を回復した。一方、ユーロやポンドなどの欧州通貨や資源国通貨は対ドルで下落したことに加え、金利上昇を背景に、米主要株価指数が下落したことから、対円でも軟調な動きが続いた。
(4)ドル/円は、先週末の米雇用統計発表直後に付けた114.03には届かなかったことから上昇一服となり、その後はやや上値の重い動きとなった。
本日のトピックス
昨晩発表された10月の米消費者物価指数が歴史的な高い伸びとなったことを受けて米長期金利が上昇となり、ドルは主要通貨に対して堅調な動きとなった。本日の東京市場では、海外市場の流れを引き継ぎ、序盤から底固い動きが続いており、114円台を回復していることから、このまま114円台を維持できるのか注目されている。
本日の米国市場は、Veterans Day(ベテランズデー)のため一部市場が休場となることから、市場参加者が少なくなることが予想されている。本日、株式市場や商品市場はオープンするが、新規材料に乏しいこともあり、限定的な動きとなる可能性も考えられる。